THE LEAN SERIES
Eric Ries

エリック・リース
シリーズエディタ

起業家とイノベータの必読書。

「リーン・スタートアップ」のエリック・リースがキュレータを務めるリーンシリーズは、この分野の最高の人材が重要なトピックについて執筆した書籍を集めたものです。リーンスタートアップを実践レベルまで掘り下げ、読者がすぐに使える情報を提供します。

ムダを省きましょう。意思決定をよりよく、より速くしましょう。人が欲しいと思う製品を作りましょう。

リーンスタートアップは、企業が新製品をローンチする方法を変えます。この実践で証明された手法は、リスクで満ちあふれたビジネスの成功を支援します。1人でガレージでやっているビジネスであろうと、フォーチュン500企業の役員室にいる熟練の専門家たちのビジネスであろうと関係ありません。

Now Available!

リーンエンタープライズ――イノベーションを実現する創発的な組織づくり

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  • 2016年10月発行
  • 384ページ
  • ISBN978-4-87311-774-4

  • 新規事業を生み出し、顧客にすばやく価値を届けるには、それを支援する体制が必要です。本書は、あらゆるムダを省き、継続的に仮説検証を繰り返しながら、プロダクトやサービスを構築する「リーンスタートアップ」の手法を既存の企業に適用するための方法を説明します。市場環境や顧客ニーズの変化に対応し、イノベーションを加速させ、組織文化、ガバナンス、財務管理を最適化し続けるハイパフォーマンス組織になるための原則とパターンを、さまざまな成功企業のケーススタディとともに詳述します。
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リーンブランディング――リーンスタートアップによるブランド構築

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  • 2016年8月発行
  • 356ページ
  • ISBN978-4-87311-769-0

  • ブランドは大企業だけでなく、スタートアップでも重要です。新製品や新サービスについて顧客に意図を正しく認知させ、興味をもってもらうためにはブランドが不可欠です。事業をゼロからつくる時と同様に、ブランド作りでもリーン・スタートアップが役立ちます。本書では、実用最小限のブランドから構築-計測-学習ループを回してリーンにブランド構築をし、「顧客との関係」を確実に成長させていく方法を事例を交えてわかりやすく解説します。
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リーン顧客開発――「売れないリスク」を極小化する技術

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  • 2015年4月発行
  • 296ページ
  • ISBN978-4-87311-721-8

  • 「顧客が本当にほしがるもの」を理解していなければ「誰も買いたがらないものを開発してしまう」リスクが高まります。顧客開発は、仮説と検証を繰り返すことで顧客を理解し、適切なセグメントに向けた製品を迅速に開発する手法です。本書は顧客開発のプロセスにおいて「構築・計測・学習」のフィードバックループを実践するための書籍です。ターゲット顧客のプロフィールをマッピングする方法から、顧客の行動背景や課題を明確にするインタビューのコツまで、顧客開発を行うための手順を具体的に解説します。「リーンスタートアップ」を実践したい人、必読の一冊です。
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Lean Analytics――スタートアップのためのデータ解析と活用法

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  • 2015年1月発行
  • 400ページ
  • ISBN978-4-87311-711-9

  • 本書は「リーンスタートアップ」が提唱する構築・計測・学習ループの「計測」にフォーカスしたものです。6つのビジネスモデルを例に挙げ、具体的なデータの裏付けを使いながら、スタートアップが成長するための「計測すべき数値」について詳細に解説します。数字や指標が苦手な人も、企業家ではないビジネスマンも、スタートアップの第一人者が提唱する最重要指標(OMTM)やリーンアナリティクスのステージといった概念を使えば、本物の行動につながる「アナリティクス」が実現できます。
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Lean UX――リーン思考によるユーザエクスペリエンス・デザイン

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  • 2014年1月発行
  • 192ページ
  • ISBN978-4-87311-661-7

  • 本書はリーンスタートアップの手法をUX(ユーザエクスペリエンス)に応用させたものです。構築・計測・学習ループをUXデザインに応用することによって、最適なデザインに最短で到達する方法を解説します。開発者やプロダクトマネージャ、マーケティング担当者などデザイナーではない人と透明性のあるコラボレーションが可能になり、部門や領域横断的なチームでも大きな効果を発揮します。エクスペリエンスのデザインに重点を置くことで、プロジェクトの効率化を実現する本書は、デザイナーはもちろん、その他UXに関わるすべての人に必携の一冊です。
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Running Lean――実践リーンスタートアップ

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  • 2012年12月発行
  • 278ページ
  • ISBN978-4-87311-591-7

  • 成功したスタートアップの2/3が、当初のプランを途中で大幅に変更しています。成功のカギは、最初のプランが優れていたからではなく、リソースを使い切る前にうまくいくプランを見つけたからです。Running Lean(ラニング・リーン)とは、リソースを使い切る前に最初のプランからうまくいくプランへと反復的に移行する体系的なプロセスです。本書では、顧客が必要とするMVPを構築する方法、構築・計測・学習ループを高速化する方法、製品/市場フィットを達成する方法などについて、リーンキャンバスや顧客インタビューの手法を使いながら具体的に解説します。
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シリーズエディタ「エリック・リース」について

エリック・リースは、企業家であり、『リーン・スタートアップ――ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす』を執筆したベストセラー作家でもあります。彼が三度目のスタートアップとして共同設立したIMVUではCTOを務めました。数々のスタートアップ、大企業、およびベンチャーキャピタル企業へビジネスおよび製品戦略上のアドバイスを提供しています。彼のリーンスタートアップの方法論は、ニューヨーク・タイムズ、ウォールストリートジャーナル、ハーバード・ビジネス・レビュー、およびHuffington Postで紹介されています。ハーバード・ビジネス・スクールのアントレプレナー・イン・レジデンス。人気ブログ「Startup Lessons Learned」を執筆。

『Running Lean』著者 アッシュ・マウリャ氏インタビュー

Ash Maurya

Running Lean手法とは?

1)Running Leanとは何でしょうか。

Running Leanとは、新製品のアイデアを吟味して、成功する製品となる確率を上げる体系的なプロセスです。

Running Leanは、複数の方法論を組み合わせたものです。特に重要なのは、リーンスタートアップ・顧客開発・ブートストラッピングの3つです。

2)なぜスタートアップは失敗するのでしょうか。どうすれば失敗を回避できると思いますか。

失敗するいちばんの理由は、製品づくりに失敗しているからではなく、間違った製品を作って時間・お金・労力をムダにしているからです。

起業家のソリューションに対する情熱が、逆に失敗を招いているのだと思います。多くの人は、最初のアイデアを重要視しすぎます。製品の成功と失敗に関する調査によると、それではいけないということがわかります。

統計的に見れば、最初のアイデアが期待どおりうまくいくことはほとんどありません。成功する起業家というのは、最初から完ぺきなアイデア(プランA)を持っているのではなく、リソースを使い果たす前にうまくいくプランを見つけているのです。

この最後の部分が重要です。

3)あなたはよく「絶対に必要な課題」という言葉を使いますね。読者のために、詳しく説明していただけますか。

顧客というのは、Ruby on Railsで構築されているから製品を購入する、わけではありません。

顧客はソリューションではなく、自身の課題のことを考えているのです。

さらに言うと、課題はすべて等しいわけではありません。「絶対に必要な課題」とは、顧客の心のなかにある上位の課題のことです。それが正確にわかれば、「正しい」製品の構築はずっと簡単になるでしょう。

4)あなたの著書『Running Lean』では、実用最小限の製品(MVP)について触れていらっしゃいますね。それは何でしょうか。なぜスタートアップにとって重要なのでしょうか。

MVPとは、構築する最小限のソリューションのことです。顧客に価値を届けて、できればこちらも価値を受け取ります。つまり、お金です。

スタートアップにとってMVPが重要なのは、成功までにかかる時間とリソースが有限だからです。それに、プランAはうまくいかないのです。

成功というのは、ビジョンを盲目的に実行することではなく、顧客と一緒にフィードバックループを構築し、継続的に学習することで実現できるものなのです。

MVPを使えば、この継続的フィードバックループが構築できますし、手遅れになる前に、道筋を修正したりビジョンを改良したりできます。

5)日本でもリーンスタートアップの考えに注目が集まっています。技術の世界だけでなく、ビジネスの世界でもそうです。その理由は何だと思われますか。

みんなに役立つものがそこにあるということなのでしょう。リーンというのは本来、ムダを減らしてリソースを効率化するというものです。

技術の世界では、スタートアップを構築する合理的な手法として受け入れられています。科学的手法をもとにしており、これまで科学ではなく技芸と考えられてきた成功する製品の構築プロセスをわかりやすく説明しています。

ビジネスの世界では、スタートアップのリスクを軽減するために、効率的に資本を使う手法として受け入れられています。信念に大きな賭けをするのではなく、事実をもとにした学習のマイルストーンを設置して、計測や調整をしながら進みます。

6)今回、『Running Lean』の日本語版発売にあたって来日されますが、日本にいらっしゃるのははじめてですか。今回の旅では、何をされたいですか。

はい、はじめてです。とても楽しみにしています。新しい場所に行って、起業家のみなさんとお会いするのが大好きです。

日本には特に興味を持っています。リーンスタートアップは、大野耐一氏によるトヨタ生産方式に大きな影響を受けているからです。

7)日本に滞在中に講演をなさる予定ですが、参加者のみなさんにはどのようなメッセージを伝えたいですか。

私が伝えたいメッセージは、起業家の本当の仕事です。起業家の本当の仕事というのは、大きなビジョンを掲げて「プラン」を実行することではなく、自分以外の誰かと対話をしながら、スタートアップのリスクを体系的に下げることなのです。

8)最後になりますが、東京でのあなたの講演をお聞きになれない日本の起業家のみなさんに、何かアドバイスをお願いします。

起業家になるのに今ほど適した時期はないと思います。ツール・資本・知識は、今までよりも簡単に手に入るようになりました。

ただ、多くの製品が作られていますが、成功する製品の確率は向上していません。

我々はそれを変えることができます。

力強いビジョンを持つところから始めましょう。これは、盲目的にビジョンを追い求めろということではありません。

起業家は強い確信(belief)を持たなければいけません。確信と信念(faith)は違います。

信念(faith) = 盲目的な確信(blind belief - 裏付けがないこと)

確信から信念を切り離しましょう。

Tim O'Reilly

リーンスタートアップとは、起業家精神にあふれたビジネスを成功させる方法にとどまりません。こうしたビジネスから何かを学ぶことで、あらゆることを改善するためのものなのです。リーンスタートアップの原則は、政府プログラムや医療の分野にも適用できると思います。さらには、世界の難しい問題の解決にも適用できるでしょう。うまくいくことをすばやく把握し、うまくいかないことを切り捨てるにはどうすればいいでしょうか。リーンスタートアップとは、この質問に対する答えなのです。

Tim O'Reilly

ティム・オライリー

O'Reilly Media社CEO

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