作ることで学ぶ 第2版

―Makerを育てる新しい教育のメソッド

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TOPICS
Electronics/DIY
発行年月日
PRINT LENGTH
516
ISBN
978-4-8144-0154-3
原書
Invent to Learn 2nd Edition
FORMAT
PDF
Ebook
4,400円
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本書は、「つくること」を通じて学ぶメイキングやティンカリングの実践を、教育の中でどのように生かすかを解説した一冊です。子どもたちが自ら手を動かし、試行錯誤しながら、共有できる成果物をつくる過程で、深い理解と創造性が育まれるという「構築主義」の考え方に基づき、教室や図書館、メイカースペースなど多様な学びの場での実践例を豊富に紹介します。STEM教育やプログラミング教育といった教育改革の潮流にも応じ、テクノロジーと創造性を結びつける具体的なアプローチが示されています。
第2版では、教育現場で広く使われているツールや教材への対応を強化。micro:bit、Scratchなどの具体的な活用例を取り上げるとともに、学校での導入事例や、公平性に関する考察も追加され、現実の教育実践に役立つ情報が充実しています。教育者、指導者、そして学びの場をデザインしたいすべての人にとって、学習の可能性を広げるヒントが詰まった必読の一冊です。
なお本書はEbook版のみの提供となります。

目次

推薦の言葉
監修者まえがき
第2版へのまえがき
はじめに
著者について
100の言葉

1章 かけ足で巡るメイキングの歴史
    気楽な歴史のレッスン
    ピアジェという構成主義者
    シーモア・パパート、メイカー・ムーブメントの父
    進歩主義教育ステージの復活
    メイキングは復活する
    メイカームーブメントと現在
    ファブラボは(再び)学校に
    未来のかたち

2章 メイキングが導く学習
    構成主義と構築主義
    メイキング、ティンカリング、エンジニアリング

3章 考えることについて考える
    学校における考えること
    現実世界からのデザインモデル
    学習のためのデザインモデル
    本当に必要なデザインモデル
    TMI(考える、作る、改良する)
    アートの統合
    教育を変えるパワフルなアイデアの役割

4章 よいプロジェクトの秘訣とは?
    よいプロジェクトの8つの要素
    プロジェクト設定への問いかけ
    なぜコンピューターを使うのか?
    よい設問とは何か
    観点を変えてみよう
    プロジェクトを計画する
    素材を使用するときの4つのアプローチ
    自分内基準を引き上げてみよう―時の流れに耐えるものを
    思い出を作ることの大切さ

5章 教えること
    ティーチング・マントラ:我らに薄く、彼らに厚く
    構築主義の実践
    イテレーティブデザインサイクルを使って教える
    2つのフラストレーション:マウス・アップとマウス・ダウン
    評価はどうあるべきか
    教師の満足はどこにあるか

6章 メイキングの現在
    想像以上に準備はできている
    おなじみの素材をおなじみではない使い方で
    何にフォーカスしていくか

7章 変革を起こす技術:ファブリケーション
    変革を起こす3つの技術:ファブリケーション、フィジカルコンピューティング、プログラミング
    ファブリケーション
    3Dプリンターはどのように動作するのか
    CAD(コンピューター支援設計)
    プリンターの選択
    カッターなどの除去型ファブリケーションツール
    ファブリケーションと学習
    ファブリケーションプロジェクト
    これからを見すえて

8章 変革を起こす技術:フィジカルコンピューティング
    真のパーソナルコンピューター
    Makey Makey
    最後まで絞りつくしましょう!
    マイクロコントローラー
    期待の星:BBC micro:bit
    フィジカルコンピューティング・キット
    本物のコンピューター、Raspberry Pi
    Raspberry Pi(またはその他のマイクロコンピューター)とArduino(またはその他のマイクロコントローラー)の違いは?
    電子技術の復活
    長く使えるものを作る
    ロボットとドローン
    玩具
    モノのインターネット
    なぜフィジカルコンピューティングを使って学ぶのでしょう

9章 変革を起こす技術:プログラミング
    プログラミングのプロジェクト
    カリキュラムの中でのプログラミング
    流暢に使いこなす力が目標
    プログラミング言語の選択
    プログラミング教育
    リベラルアートとしてのコーディング

10章 ガラクタの山は宝の山
    基本的な備蓄品
    購買と取得

11章 学習環境を作り上げる
    助けるか、さもなくば邪魔をしない
    ジェンダー・フレンドリーなスペースとスタイル
    開放的なメイカースペース
    ドキュメントの活用
    下りエスカレーターを上る
    テクノロジーのエコシステム
    コラボレーションとグループワーク
    LUMTを忘れずに
    ゴールを見せてしまいますか?
    複雑さに手が届くように
    ファブラボからラボを解き放ちましょう
    作業スペースのデザインとメイキングの実践
    地域コミュニティのスペース
    学校のIT
    期待を高めよう
    すべてのメイキングは学びなのか?

12章 生徒のリーダーシップ
    生徒のリーダーシップを支える
    心奪われ、エンパワーされること

13章 メイカーデイを開きましょう
    プランニング
    広く知らせましょう
    アクティビティ
    一日の終わりに向けて
    メイカーデイにおけるプロジェクトのアイデア
    メイカーフェアからのインスピレーション

14章 私たちの取り組み
    現代の知識の構築
    教師たちの学習環境
    CMKでの実践
    CMKの参加者たちとプロジェクト

15章 立場を主張する(事例のメイキング)
    子供のパワーを引き出す
    生徒たちへの対応
    親とコミュニティの協力
    ファミリーワークショップ
    私たちと生徒の擁護のために―言うべきこと、言うべきではないこと
    前向きな議論のために―言うべきこと、言うべきではないこと
    自分の成功体験を語ろう
    研究に基づく主張を行う

16章 探求のためのリソース

参考資料
日本における“作ることで学ぶ”教育、そして子供たち(阿部和広)