オープンソースソフトウェアの開発には、商業的なソフトウェアの開発には見られない固有の問題が数多く存在します。本書は、バージョン管理システムSubversion、CVSの開発の中心人物として知られるKarl Fogelがオープンソースソフトウェア開発プロジェクトの運営方法を解説する書籍です。プロジェクトの立ち上げ時に開発者やユーザをより多く集めるためのドキュメントの整備や広報の方法、メーリングリストを使った議論の方法、バージョン管理システムやバグ追跡システムの運用、ライセンスの選択、オープンソースプロジェクトと金銭(企業)との関わりなど、幅広い事柄について実体験に基づいた解説が行われます。
オープンソースソフトウェアの育て方
Karl Fogel 著、高木正弘、高岡芳成 訳
- TOPICS
- Web , Linux
- 発行年月日
- 2009年07月
- PRINT LENGTH
- 320
- ISBN
- 978-4-87311-412-5
- 原書
- Producing Open Source Software
- FORMAT
目次
目次 日本語版に寄せて 序文 1章 導入 歴史 現状 2章 さあ始めましょう まずは周りを見渡すことから 手持ちのもので始めよう ライセンスの選択と適用 うまく引っ張っていく 広報 3章 技術的な問題 プロジェクトに必要なもの メーリングリスト バージョン管理 バグ追跡システム IRC――リアルタイムのチャットシステム RSSフィード Wiki ウェブサイト 4章 プロジェクトの政治構造と社会構造 プロジェクトが分裂する可能性 優しい独裁者 合意に基づく民主主義 すべてを記録しておく 5章 お金に関する問題 プロジェクトへの関わり方 開発者を長期に渡って雇用する 企業の人間としてではなく、個人として振る舞う 動機を隠し立てしない カネで愛は買えない 契約する プログラミング以外の活動を支援する マーケティング 6章 コミュニケーション 書いたことがすべて 陥りがちな罠 扱いにくい人たち 巨大化への対応 バグ追跡システムでは議論しない 宣伝・広報 7章 パッケージの作成、リリース、日々の開発 リリースに番号を付ける リリースブランチ リリースを安定させるプロセス パッケージング テストとリリース 複数のリリースラインを管理する リリースと日々の開発 8章 ボランティアの管理 ボランティアを最大限に活用する 技術的な作業だけでなく管理作業もみんなで 引き継ぎ コミッター クレジット プロジェクトの分裂 9章 ライセンス、著作権、特許 使用する用語 ライセンスの特徴 GPLとライセンスの互換性 ライセンスを選ぶ 著作権の保有と譲渡 デュアルライセンスの仕組み 特許 さらなる情報源 付録A フリーなバージョン管理システム 付録B フリーなバグ追跡システム 付録C なんで自転車置場の色まで気にしなきゃならないの? 付録D バグ報告のやり方を説明した例 付録E 著作権表示 訳者あとがき 索引