システム思考の世界へ

―複雑化する時代で考え続けるソフトウェア技術者のために

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TOPICS
System/Network
発行年月日
PRINT LENGTH
340
ISBN
978-4-8144-0156-7
原書
Learning Systems Thinking
FORMAT
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4,180円

ソフトウェア技術者が向き合っているのは、単体のソフトウェアそのものではなく、人や組織の中で使われ、影響を及ぼすシステムです。変更は、コードの中だけで完結するものではなく、人の行動や判断を含めた全体の振る舞いとして現れます。直面している課題の多くは、ソフトウェアの問題ではなく、そうした相互作用を含むシステムとしての問題です。
本書は、複雑化する現代のシステムに向き合い、よりよい判断へとつなげるためのシステム思考を解説します。個々の要素を切り分けて最適化するだけでなく、全体が健全に機能するように考え、共有し、働きかけるための視点と実践を深めていきます。
システム思考は、複雑な状況の中でもより効果的に動き、周囲を巻き込みながら改善を進めていくための実践的な思考法です。本書では、具体的なプラクティスと現場の事例を通して、よりよい成果を設計・開発・提供するために、視点を転換しながら考え続けていくプロセスをたどります。

目次

本書への賛辞
はじめに

第I部 思考のシステム

1章 システム思考とは何か?
    1.1 人は無意識に線形思考へと傾きやすい
    1.2 システム思考は非線形的である
    1.3 システム思考とは何か?
    1.4 システム思考は実践である
    1.5 システム思考者の資質
    1.6 MAGO の苦境

2章 概念の統合を創り出す
    2.1 すべては関係性から生まれる
    2.2 システム思考はソシオテクニカルなものだ
    2.3 直感に反すること
    2.4 流動するシステム
    2.5 アイデアのシステム
    2.6 時間は常に重要な要素である
    2.7 実践のために:列車の先頭に乗るということ
    2.8 実践してみよう:思考としての書くこと
    2.9 直感に反するMAGO

3章 見方を変える
    3.1 5 つの基本的な実践
        3.1.1 常に学び続ける
        3.1.2 問いを構成することに慣れる
        3.1.3 思考を深める(あるいは深めようとする)
        3.1.4 敬意をもって関わる
        3.1.5 対症療法をやめ、パターンを変える
    3.2 中核的な実践としてのモデリング
    3.3 私たちの取り組みを沈める氷山
        3.3.1 出来事
        3.3.2 パターンと傾向
        3.3.3 構造
        3.3.4 メンタルモデル
    3.4 非難ゲーム
    3.5 実践してみよう:氷山モデル
    3.6 MAGO の課題:見方を変える
    3.7 実践のために:見方を変えるのは難しい

第II部 あなた自身が思考のシステムである

4章 自己認識こそがすべてのスキルの土台
    4.1 システム思考:難題と向き合う
    4.2 意思決定はノイズの多いプロセスである
    4.3 自分の思考を観察する
        4.3.1 実践してみよう:思考の流れをたどる
        4.3.2 他の実践
    4.4 MAGO:あらゆるものが私たちの盲点にある
        4.4.1 現行システムをモデル化する
        4.4.2 類似システムを調査する
        4.4.3 困りごとに耳を傾ける
        4.4.4 プロトタイプを作成する
        4.4.5 何もしなかったらどうなる? 
    4.5 実践のために:自己認識が教えてくれた12 のこと

5章 感情的な反応から、意識的な応答へ
    5.1 反応を意識する
    5.2 持論をかざす文化は普通のこと
    5.3 コアスキルとしての共感
    5.4 反応を抑える余地を作る
    5.5 実践してみよう:反応したときの選択肢
        5.5.1 イエス、アンド
        5.5.2 24 時間ルール
        5.5.3 呼吸法
        5.5.4 散歩
        5.5.5 軽食または仮眠を取る
        5.5.6 書く
        5.5.7 トリガーに気づこう:そこにヒントがある
    5.6 MAGO の反応
    5.7 実践のために:物語が同じである必要はない

6章 学習のシステム
    6.1 学習駆動キャリア
    6.2 実践1: あなたを突き動かすものは何か?
    6.3 学びを設計する
        6.3.1 成果物を作成する
        6.3.2 観察して問いを立てる
        6.3.3 知識を統合する
        6.3.4 経験する
    6.4 実践2:自分の活動を描写する
    6.5 学びの成果を設計する
    6.6 実践3: 学習成果
        6.6.1 視点を切り替える能力を伸ばす
        6.6.2 曖昧さへの耐性を高める
        6.6.3 文脈と関係性の影響を理解する
        6.6.4 パターンと構造を見極める
        6.6.5 還元主義に陥らずにグループや境界を設定する
        6.6.6 批判的に考え、的確な判断を下す
        6.6.7 対人スキルを磨く
    6.7 フィードバックループの設計
    6.8 実践4:私を助けてくれるのは誰か? 
    6.9 一日一日を積み重ねて、学び続ける
    6.10 MAGO:分け隔てのない学習機会
    6.11 実践のために:すべては繋がっている

第III部 私たちもまた思考のシステムである

7章 共に行うシステム的論拠付け
    7.1 システム的論拠付けとは何か? 
        7.1.1 システム的論拠付けを共に行うには
        7.1.2 システム的論拠付けの別名
        7.1.3 システム的論拠付けとは構想を練り上げること
    7.2 実践してみよう:提案を作ってみる
        7.2.1 構想、行動、理論を見定める
        7.2.2 論拠を見定める
        7.2.3 論拠を強化する
        7.2.4 潜在的な落とし穴に対して正直であること
    7.3 システム的論拠付けは探究の手法である
    7.4 システム的論拠付けには投資の価値がある
    7.5 システム的論拠付けは曖昧さを構造化し、枠組みを与える
    7.6 トップダウン・エラボレーション
        7.6.1 要約
        7.6.2 WHY
        7.6.3 WHAT 
        7.6.4 WHO 
        7.6.5 HOW
        7.6.6 WHEN 
    7.7 論拠を強化する
        7.7.1 わかりやすさ
        7.7.2 信頼性
        7.7.3 関連性
        7.7.4 一貫性
        7.7.5 説得力
    7.8 実践してみよう:論拠を強化しよう
    7.9 MAGO の提案
    7.10 実践のために:氷山モデル

8章 フィードバックループの設計
    8.1 概念的な橋を架ける
        8.1.1 ギャップを意識する
        8.1.2 橋
    8.2 システム思考にはフィードバックループが必要である
        8.2.1 必要なフィードバックを求める
        8.2.2 必要な相手からフィードバックを得る
        8.2.3 フィードバックの黄金律に従う
        8.2.4 フィードバックループには学習が含まれる
    8.3 4 つのコアスキル
        8.3.1 傾聴する
        8.3.2 自分の考えを変える
        8.3.3 論拠と向き合う
        8.3.4 誤謬を探す
    8.4 実践してみよう: フィードバックを得る
    8.5 MAGO:概念的な橋が役立った例
    8.6 実践のために:強力な概念的な橋を架ける

9章 パターン思考
    9.1 パターン思考とは何か? 
    9.2 パターンは出来事を生み出す
    9.3 関係性がどのように効果を生み出すか
        9.3.1 同じ出来事、異なるパターン
        9.3.2 どこでパターンを探すか
        9.3.3 3 種類のパターン
    9.4 パターン思考における7 つの質問
    9.5 MAGO のパターン
        9.5.1 関係性のパターン
        9.5.2 外部、技術システム、およびプロセスのパターン
        9.5.3 MAGO に7 つの質問を適応する
    9.6 実践してみよう:7 つの質問
    9.7 実践のために:技術の外でのパターン思考

第IV部 思考のシステムを設計する

10章 モデリングを共に行う
    10.1 モデリングとは何か? 
        10.1.1 統一をもたらすのはモデルではなく、モデリングである
        10.1.2 デザイン思考
        10.1.3 道は1 つではない
    10.2 システム的視点から見る
        10.2.1 何をモデル化するのか? 
        10.2.2 ドメインモデル
        10.2.3 因果ループ
        10.2.4 7 つの質問
    10.3 システムから見たMAGO
        10.3.1 問題領域と解決領域
        10.3.2 線形と非線形、再考
        10.3.3 パターン再考
    10.4 実践してみよう:モデリングを始めよう
    10.5 実践のために:リソース

11章 システム的リーダーシップ
    11.1 私たちを取り巻くパラダイム
        11.1.1 システム的リーダーシップではないもの
    11.2 システム的リーダーシップの特性
        11.2.1 コミュニケーション構造の設計
        11.2.2 統合的リーダーシップ
        11.2.3 介入すべき場所を見つける
    11.3 リーダーシップを学ぶ
        11.3.1 学習ヒューリスティックの開発
        11.3.2 7 つの学習ヒューリスティック
    11.4 MAGO:システム的リーダーシップ
        11.4.1 痛みを理解する
        11.4.2 システムにおいて最も価値の高い目的を見極める
        11.4.3 現在のシステムをモデル化する
        11.4.4 共に考えるための共有の場を作る
        11.4.5 中核的な問題を明確化し、妥当性を説明する
        11.4.6 システム改善への道筋を提案する
        11.4.7 コミュニケーションのシステムを設計し、共に考えることを奨励する
        11.4.8 自分自身をしっかりケアする
        11.4.9 システム思考を奨励する
    11.5 実践してみよう:システム的リーダーシップを共に学ぶグループ

12章 成功の再定義
    12.1 成功とはシステムである
        12.1.1 成功したシステムには促進的な制約がある
        12.1.2 成功したシステムは根本原因を解決する
        12.1.3 成功したシステムは影響を平準化する
        12.1.4 成功したシステムは知識のフローを生み出す
    12.2 実践してみよう:成功はパラダイムシフトである
    12.3 成功の特質
    12.4 MAGO にとっての成功
    12.5 実践のために:システム的リーダーの目標
        12.5.1 目的:解決策の提言における概念の統合を育む
        12.5.2 目的:知識のストックを向上させることを目指す
        12.5.3 目的:知識のフローを改善することを目指す
    12.6 システムと踊る

参考資料
用語集
訳者あとがき
索引