アプリケーション開発はいまやスマートフォン、タブレット、テレビでの使用も考慮して設計する必要があります。本書ではGoogleの現役UXデザイナーである著者が、複数のデバイスにまたがるUXをどのようにデザインすればよいか、独自の「3C」(Consistent、Complementary、Continuous――一貫性、補完性、連続性)フレームワークに基づき解説します。大手からベンチャーまで、さまざまな事例が取り上げられており、それを参考に実際に試して自分のものとして取り入れることもできるでしょう。また、現状のみならず将来を見据えた視点から書かれており、今後のウェアラブルデバイスやモノのインターネット(IoT)といった時代をにらんだ本質的な議論は、非常に有益です。将来の方向性まで示してくれる一冊です。
デザイニング・マルチデバイス・エクスペリエンス
―デバイスの枠を超えるUXデザインの探求
Michal Levin 著、青木 博信、大木 嘉人、笠原 俊一、瀬戸山 雅人、矢野 類子 訳
- TOPICS
- Web , Design
- 発行年月日
- 2014年12月
- PRINT LENGTH
- 388
- ISBN
- 978-4-87311-708-9
- 原書
- Designing Multi-Device Experiences
- FORMAT
目次
訳者まえがき はじめに 1章 ネットワークデバイスのエコシステム 1.1 エコシステムという概念 1.2 3Cのフレームワーク:一貫性、連続性、および補完性 過去を振り返る:1980年代のポータブルコンピューター広告 1.3 シングルデバイスデザインは過去のもの(ええ、知っていますとも!) 1.3.1 スマートフォンの登場 1.3.2 アプリストアの登場 ディスカッション:ネイティブアプリ、ウェブアプリ、そして中間にあるすべて 1.3.3 タブレットの登場 1.4 これはエコシステムなのです! 1.5 まとめ 2章 一貫性のデザイン 2.1 一貫性のデザインとは何か? 2.1.1 一貫性のある体験を最適化する 2.1.2 レイアウトへの最適化 2.1.3 タッチへの最適化 2.1.4 フォームファクターへの最適化 2.1.5 コアの体験に一貫性を持たせる ディスカッション:「デバイスのカオス」を管理する 2.2 ミニマルインターフェースの一貫性:Google検索 2.2.1 デバイス間で共通している要素 2.2.2 デバイスごとに最適化された要素 2.3 一貫性を保ちつつ情報を徐々に増やす:Trulia 2.3.1 デバイス間で共通している要素 2.3.2 デバイスごとに最適化された要素 ディスカッション:モバイルプラットフォーム間の橋渡し 2.4 ただアクセスできるだけに留まらず:Hulu Plus 2.5 デバイスは手段であり目的ではない 2.6 まとめ 3章 連続性のデザイン 3.1 連続性のデザインとは何か 3.2 単一作業フロー 3.2.1 視聴体験を簡素化する:Apple AirPlay 3.2.2 シームレスなコンテンツ消費の体験:Amazon Kindle 3.2.3 コンテンツの作成と編集のフロー:Googleドライブ 3.2.4 連続性の体験と一貫性の体験とのつながり ディスカッション:サインインの重要性 3.3 順序的な作業フロー 3.3.1 デバイスの「強み」に応じた体験:Allrecipes 3.3.2 変化するニーズに体験を適応させる:Eventbrite ディスカッション:連続性を学習させる 3.3.3 物理世界とデジタル世界の橋渡し:POP 3.3.4 連続性をオープンプラットフォームにまで広げる:Pocket 3.4 まとめ 4章 補完性のデザイン 4.1 補完性のデザインとは何か 4.2 コラボレーション&必須 4.2.1 友達と遊ぶ:Real Racing 2のパーティプレイ 4.2.2 社交的なゲームをデジタル化する:Scrabble for iPad.パーティプレイ 4.2.3 必須とオプションのデザインを組み合わせる:Pad Racer ディスカッション:初心者向けデザイン対上級者向けデザイン 4.2.4 単なる複数人向けゲームからの脱却:KL Dartboard 4.3 コラボレーション&オプション 4.3.1 テレビ視聴に重ねるソーシャルというレイヤー: Heineken Star Player 4.3.2 IntoNow:プラットフォームとしてのセカンドスクリーン体験 ケーススタディ:Bites.TV.セカンドスクリーン体験を構築する 4.3.3 共に結び付いた体験:アベンジャーズ 4.4 コントロール:オプション 4.4.1 必ずしも同時体験とは限らない:Slingbox 4.4.2 コラボレーションとコントロールの出会い:Xbox SmartGlass 4.5 魅力的なユースケース:それが自分の仕事に対してどんな意味があるか? 4.6 まとめ 4.7 3Cのまとめ 5章 統合的なデザインアプローチ 5.1 構成要素としての 3C 5.1.1 マルチデバイス体験は始まったばかり 5.1.2 ユーザーのニーズは白黒つかない 5.1.3 素晴らしいデバイスは大きな期待をもたらす 5.1.4 マルチデバイス体験に挑む:やっていいことといけないこと 5.2 統合的なアプローチ:事例の見直し 5.2.1 補完性と一貫性:Slingbox 5.2.2 連続性と一貫性:Allrecipes ディスカッション:もしユーザーがすべてのデバイスを持っていなかったら? 5.2.3 エコシステムの中でのストーリーを明らかにする 5.2.4 補完性、一貫性、連続性のアプローチ:Hulu Plus、Wii U、および Xbox SmartGlass ディスカッション:より多くのスクリーン、より強い習慣 5.3 統合的なアプローチ:新たな事例 5.3.1 補完性と一貫性:Withings Smart Baby Monitor 5.3.2 補完性と一貫性:Bitponics 5.3.3 補完性のデザインと一貫性のデザインが出会うとき 5.4 まとめ 6章 コアデバイスを超えて 6.1 モノのインターネット 6.2 モノのインターネットはすでに実現しているのか 6.3 3Cの拡張 6.3.1 適応的デザイン:NEST.学習するサーモスタット 6.3.2 スマートフォンの拡張:BiKN 6.3.3 ユーザーの振る舞いを再考する:Square ディスカッション:自己定量化という運動 6.3.4 統合されたマルチデバイス体験:Nike+ 6.3.5 ウェアラブル中心の体験:Pebble Watch 6.3.6 サービスデザインの活用:Tescoバーチャルスーパーマーケット QRコードでクリエイティブになる 6.3.7 拡張現実感:IKEAの2013年カタログ 6.3.8 マルチデバイス(オープン)プラットフォーム:SmartThings ケーススタディ:Neura.モノのインターネットに対するユーザー中心アプローチ 6.4 まとめ 7章 マルチデバイス分析 7.1 ユーザーのデータとはユーザーのフィードバックである 7.1.1 行動は言葉よりも雄弁 7.1.2 どのようにデータを収集するか? ディスカッション:Googleアナリティクスを使用した、マルチデバイスの測定 7.2 マルチデバイス分析 7.2.1 一貫性:既存の分析のパラダイムをデバイスにまたがって適用する 7.2.2 補完性と連続性:新しい領域へ分析のパラダイムを拡大する ディスカッション:A/Bテストでエコシステムの道を切り開く 7.3 分析においてさらに考慮すべき点 7.3.1 テレビとソーシャル分析 7.3.2 エコシステムの ROIを測る 7.4 まとめ 8章 課題の姿を変える 8.1 エコシステムのデザインと開発における課題 8.1.1 組織横断的な協力における課題 8.1.2 囲い込みにおける課題 8.1.3 リソースと市場投入までの時間における課題 8.2 エコシステムは一夜にしてならず ディスカッション:モノのインターネットを解剖する 8.3 エコシステムの普及における課題 8.3.1 エコシステムのセットアップと稼働に関する課題 ディスカッション:バッテリー寿命の課題 8.3.2 アプリ過剰に関する課題 8.4 エコシステムの心臓 8.4.1 初めてのエコシステムとその心臓 8.4.2 エコシステムの心臓の例 8.4.3 パーソナライズのさらなる進化 ディスカッション:医療におけるマルチデバイス体験 8.5 新しい、混乱した(人間)世界 8.6 まとめ 付録 企業、製品、リンク一覧 索引