本書は、ストーリーテリングがプロダクトデザインにもたらすダイナミックな影響を紹介します。優れたプロダクトデザインのために伝統的なストーリーテリングに目を向け、映画やフィクションで試行錯誤された原則やツール、方法を活用し、キャラクター開発から物語構造、メインプロット、サブプロットまで、あらゆる可能性を定義し設計します。セット、シーン、ショットのデザインも行い、プロダクトやサービス体験の特定の部分を生き生きとさせるのに役立ちます。これらは全て、プロダクトやサービスを利用する人がストーリーの主人公であり、その体験の主役たらしめ、より魅力的なユーザーエクスペリエンスを生み出すのに役立ちます。
プロダクトデザインのためのストーリーテリング
―「物語」で魅了するユーザーエクスペリエンスを生み出す
Anna Dahlström 著、中橋 直也 訳
- TOPICS
- Design
- 発行年月日
- 2024年05月
- PRINT LENGTH
- 464
- ISBN
- 978-4-8144-0068-3
- 原書
- Storytelling in Design
- FORMAT
- Print PDF EPUB
目次
訳者まえがき まえがき 第1章 なぜストーリーテリングが重要なのか 執筆の経緯 歴史におけるストーリーの役割 情報をつなぎ、伝える手段としてのストーリーテリング 道徳をインストールする方法としてのストーリーテリング 職業としてのストーリーテリング ブランディングの初期形態としてのストーリーテリング ストーリーという表現媒体 口頭によるストーリーテリング 岩絵 持ち運べる素材 活字と印刷機 マスメディアの台頭 日常生活におけるパーソナルストーリーテリングの役割 夢 白昼夢 ビジュアライゼーション パーソナルストーリーテリングの力 近年のストーリーテリング 説得ツールとしてのストーリー 人々を行動へと導く手段としてのストーリー 目的にかなったストーリー プロダクトデザインにおけるストーリーテリングの役割 プロダクトデザインプロセスのためのツールとしてのストーリーテリング 賛同を得るためのツールとしてのストーリーテリング デザインの対象者を理解する方法としてのストーリーテリング サマリー 第2章 優れたストーリーの解剖学 UXを説明するための建築家の喩え(アナロジー) ストーリーテリングにおけるアリストテレスの7つの黄金律 ストーリーの3つの要素 ドラマツルギーの技術 アリストテレスの3幕構成 フライタークのピラミッドと3幕構成への批判 ドラマツルギーがプロダクトデザインに教えてくれること デジタルプロダクト体験の循環的性質 複数の始まり、中間、そして終わり 混沌を導く ジャーニーの始まり方に適応する ストーリーテリングの5つのキーレッスン 伝統的なストーリーテリングと劇的な問い ディズニーの魔法のような細部へのこだわり ピクサーのストーリーテリングレッスン ビデオゲームと没入型ストーリーテリング スピーチとストーリーテリングにおける可能性の引力 サマリー 第3章 プロダクトデザインのためのストーリーテリング いつでも、どこでも、どんなデバイスでもそれがあなたの出発点 伝統的なストーリーテリングはどう変わるのか? オンデマンドへのシフト ストーリーテラーとしての視聴者 主人公としての視聴者 参加型・インタラクティブなストーリーテリング データ主義のストーリーテリング ストーリーテリングの新しいフォーマット トランスメディア・ストーリーテリング 「拡張された世界」と「再構築された世界」 プロダクトデザインの展望はどう変わるか 未来は今始まる 流動的なコンテンツとユビキタスな体験 マルチデバイスデザイン 機械学習とAI ボットや会話型インターフェース 音声UI IoTとスマートホーム ARとVR オムニチャネル体験 消費者の期待値の変化 即時性とボタンをタップすることへの期待 パーソナライゼーションとカスタマイズされた体験 検索の利用と情報へのアクセスの方法 サマリー 第4章 プロダクトデザインの感情的側面 音声アシスタントに叫ぶ ストーリーテリングにおける感情の役割 プロダクトデザインにおける感情の役割 意思決定における感情の影響 感情が行動を起こす際に与える影響 感情と私たちの様々な欲求のレベル デザインにおける楽しさ 常に向上を目指す努力と新しい標準 感情を理解する プロダクトデザインに関連する感情の3つのレベル 感情の種類 何が私たちを共有させるのか デザインにおける感情が重要な役割を果たす状況 プロダクト体験の瞬間を幸福、不幸、中立、または内省に分類する ポジティブな感情をデザインする ストーリーテリングが教えてくれるプロダクトデザインにおける感情喚起 想像力をかき立てる プロダクトデザインに個性を加える 機能ではなく結果に焦点を当てる ユーザーにメッセージを向ける プロダクトとサービスの「もしも」を特定する サマリー 第5章 ドラマツルギーによる経験の定義と構造化 プロダクトライフサイクルを理解して定義する ストーリーテリングにおけるドラマツルギーの役割 プロダクトデザインにおけるドラマツルギーの役割 3幕構成を購入ライフサイクルに適用する 3幕構成のバリエーション Yves Lavandierの修正された3幕構成 シド・フィールドのパラダイム構造 Frank Danielsのシーケンス・パラダイム シーケンシングとミニストーリーをプロダクトデザインに適用する UXデザインにおいて詳細なシーケンスを使用する プロダクトデザインにおけるシーケンスとミニストーリーの粒度を定義する 幕、シーケンス、シーン、ショットの違い 幕、シーケンス、シーン、ショットをプロダクトデザインに変換する プロットポイントを理解する フィールド主要なプロットポイント 5つのメインプロットポイント プロダクトデザインにおけるプロットポイント プロダクトデザインにおけるプロットポイントを定義する 一般的なプロダクトライフサイクルの典型的な体験構造 ドラマツルギーとプロットポイントを使用してプロダクト体験の物語構造を定義する方法 2ページのシノプシス法 インデックスカード法 サマリー 第6章 プロダクトデザインにおけるキャラクター開発の活用 ペルソナの使用に対する消極性 ストーリーテリングにおけるキャラクターとキャラクター開発の役割 プロダクトデザインにおけるキャラクターとキャラクター開発の役割 共通理解を生み出すためのキャラクターの役割 共感を生み出すためのキャラクターの役割 ニーズとその他の要素の理解におけるキャラクターの役割 プロダクト体験の物語定義の補助におけるキャラクターの役割 プロダクト体験のキャラクターや役者を全て把握することの重要性 プロダクトデザインにおいて考慮すべき様々なアクターとキャラクター プロダクトデザインにおけるキャラクターとアクターの定義 ユーザー 他のユーザー 友人、家族、パートナー、同僚 システム ブランド ボットとVUI AI デバイス タッチポイントとドライバー 敵対者 キャラクター開発の重要性 動的なキャラクターと静的なキャラクター 立体的なキャラクターと平面的なキャラクター キャラクターアーク 伝統的なストーリーテリングが教えてくれるキャラクターとキャラクター開発 本と小説におけるキャラクター構築と紹介 テレビと映画のためによく練られたキャラクター アクターとキャラクター構築 アニメーションにおけるキャラクター ゲームにおけるキャラクター キャラクターの定義VS開発VS成長 プロダクトデザインにおけるキャラクター定義と開発のためのツール 役割と重要性を明確にするためのキャラクター階層 キャラクター開発のための質問票 キャラクターアークを開発させるための質問 サマリー 第7章 プロダクトの設定とコンテキストを定義する 「一度」は「いつも」ではない ストーリーテリングにおけるセッティングとコンテキストの役割 プロダクトデザインにおけるセッティングとコンテキストの役割 プロダクトデザインにおけるコンテキストの考察 コンテキスチュアルプロダクトおよびコンテキスト・アウェア・コンピューティングの定義 コンテキスト・アウェア・コンピューティングの歴史 現在のコンテキスト・アウェア・コンピューティング コンテキストを理解する コンテキストの複雑さを受け入れる プロダクトデザインにおけるコンテキストを構成する要因と要素 ストーリーテリングがセッティングとコンテキストについて教えてくれること セッティングとコンテキストを定義する 世界を創る セットをデザインする サマリー 第8章 プロダクトデザインのためのストーリーボード 全てを把握する1つのドキュメント 映画とテレビのためのストーリーボードの役割 プロダクトデザインにおけるストーリーボードの役割 目に見えない問題やソリューションを特定するためにストーリーボードを使用する ストーリーボードの作成 ストーリーボードをプロダクトデザインプロセスに組み込む方法 成果物としてのストーリーボード カスタマージャーニーマップの一部としてのストーリーボード エクスペリエンスマップの一部としてのストーリーボード サマリー 第9章 プロダクト体験の形を視覚化する ウェブサイトは「私」と「私が欲しいもの」を知っている ストーリーの形 キャンベルのヒーローズジャーニー カート・ヴォネガットのストーリーの形 ブッカーの7つの基本プロット 体験の形 体験の形を定義する2つの方法 エクスペリエンスゴールを使ってエモーショナルジャーニーを描く ハッピーなジャーニー、アンハッピーなジャーニーをマッピングする いつ、どのように体験を視覚化するか サマリー 第10章 メインプロットとサブプロットをユーザージャーニーとフローに適用する 理想的なジャーニー 伝統的なストーリーテリングにおけるメインプロットとサブプロットの役割 プロダクトデザインにおけるメインプロットとサブプロットの役割 サブプロットのタイプ 代替ジャーニー アンハッピージャーニー 分岐ジャーニー ストーリーテリングが教えてくれるメイン・プロットとサブプロットの扱い方 サブプロットの定義と構築 ストーリーマップを通じてメインプロットとサブプロットを視覚化する サマリー 第11章 プロダクトデザインにおけるテーマとストーリー開発 実際のコンテンツを使う ストーリーテリングにおけるテーマの役割と赤い糸 プロダクトデザインにおけるテーマと赤い糸の役割 伝統的なストーリーテリングにおけるストーリーを展開するためのアプローチ コンテンツとプロダクト体験ストーリーの開発 ストーリーテリングが教えてくれるテーマとプロダクトストーリー開発 テーマを特定する メンタルモデルを探求する サマリー 第12章 CYOA(choose-your-own-adventure、きみならどうする?)ストーリーとモジュールデザイン 全アスリートのための1ページ CYOA本とモジュラーストーリー CYOAとプロダクトデザイン プロダクトデザインにおけるモジュール化のケース ページやビューではなく、構成要素に焦点を当てる必要性 選択肢に基づくストーリーの共通パターン タイムケイブ(TIME CAVE) ガントレット(GAUNTLET) 分岐とボトルネック(BRANCH AND BOTTLENECK) 冒険(QUEST) オープンマップ(OPEN MAP) ソーティングハット(SORTING HAT) フローティングモジュール ループとグロー(LOOP AND GROW) プロダクトデザインに応用されるCYOA構造の主要原則 分岐する物語 中心的な糸 ストーリーノード 相互接続性 フラグ(STATE TRACKING) フローティングモジュール プロダクトデザインがCYOAから学べること 分岐するストーリーの特定 コンテンツと分岐する物語の可視化 サマリー 第13章 シーン構造をワイヤーフレーム、デザイン、プロトタイプに適用する フォールドの上に収まりきらないもの ストーリーテリングにおけるシーンとシーン構成の役割 プロダクトデザインにおけるシーンの役割とシーン構成 ページやビューのストーリー フォールドの下のストーリー ストーリーの一部としてのページやビュー ワイヤーフレームとUXプロトタイプのストーリー シーンの要素 プロダクトデザインへの応用 ページやビューのストーリーを伝えるのに役立つ要素 シーンが教えてくれるページやビューのストーリーの定義方法 ページやビューの目的を定義する 初回訪問者や再訪問者のニーズに応えるためにページまたはビューに含める必要があるものを特定する ユーザーがそのページやビューに費やすべき望ましい時間を特定する デバイスや画面サイズに応じてコンテンツを特定し優先順位をつける 小さな画面から大きな画面へのコンテンツの流れ方を定義する 1次・2次コール・トゥ・アクション(CTA)を使用してストーリーを伝える ストーリーテリングを使用してワイヤーフレーム、モックアップ、プロトタイプをテストして評価する サマリー 第14章 あなたのストーリーの発表と共有 ストーリーテリングがどのようにして日常を救ったか ストーリーをプレゼンするためのストーリーテリングの役割 目的を達成する手段としてストーリーテリングを使用する 賛同を得る手段としてストーリーテリングを使用する ストーリーテリングをインスピレーションの手段として使用する データの背後にある正しいストーリーを特定し伝える 伝統的なストーリーテリングがストーリーのプレゼンテーションについて教えてくれること ストーリーの「誰」と「なぜ」を特定する ストーリーを定義する ストーリーの口語表現 ストーリーの視覚表現 ストーリーをどのようにプレゼンするかを調整する サマリー 索引