インターネットの成長とともにさまざまな通信形態が生まれていますが、その中でも電子メールはインターネットの黎明期以来重要な通信手段として利用されてきました。本書は、各種電子メールソフトウェアの実装やメールサーバの管理を手がける人たちのために書かれた解説書です。POPやSMTP、ESMTP、IMAPなどの電子メール配送に関係するプロトコルを章別にとりあげており、各プロトコルの機能を電子メール配送の仕組みの中で把握し、コマンドの細部を確認することができます。また、PerlモジュールやJavaMail APIなどもリファレンス形式で解説しており、メールソフトウェア開発の場でも活用できる内容です。日本語版では、メールヘッダやメールボックス名、添付ファイル名などに用いられる日本語文字列の扱いや、原書発行以降の情報、実装上の注意点などを加筆し、有用性を高めました。
電子メールプロトコル
―基本・実装・運用
David Wood 著、佐々木 雅之, 澤野 弘幸, 千葉 猛, 鄭 隆幸, 日比野 洋克, 平塚 伸世, 渡部 直明 監訳、大川 佳織 訳
- TOPICS
- Web , System/Network , Linux
- 発行年月日
- 2000年11月
- PRINT LENGTH
- 432
- ISBN
- 4-87311-028-9
- 原書
- Programming Internet Email
- FORMAT
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目次
監訳者まえがき まえがき 1章 インターネット上の電子メール 1.1 電子メールシステム 1.1.1 インターネットの電子メール 1.1.2 X.400電子メール 1.1.3 ベンダ独自仕様の電子メールシステム 1.2 インターネットメールの標準 1.3 電子メールを扱うためのツール 1.4 インターネットの基本的な電子メールシステム 1.4.1 SMTPを利用しないメールシステムへのゲートウェイ 1.4.2 MUAからのメール送信 1.4.3 MTAによるメール転送 1.4.4 MDAによるメール配送 1.4.5 MRAによるメールの取得 1.4.6 MUAによるメールの受信 2章 単純なテキストメッセージ 2.1 インターネットテキストメッセージ 2.2 グローバルな設計とローカルな運用 2.3 ヘッダ 2.3.1 ヘッダに関する一般的な注意事項 2.3.2 必須ヘッダ 2.3.3 オプションヘッダ 2.3.4 動的なヘッダ 2.3.5 ユーザ定義ヘッダ 2.3.6 アドレスのフォーマット 3章 MIME 3.1 MIMEの起こり 3.2 MIMEヘッダフィールド 3.3 MIMEエンコード 3.3.1 7ビット、8ビット、バイナリ 3.3.2 quoted-printable 3.3.3 base64 3.4 MIMEバウンダリ 3.5 MIMEのまとめ 3.5.1 エンコードのまとめ 4章 MIMEメッセージの作成 4.1 最小限のMIMEメッセージ 4.2 マルチパートメッセージ 4.3 本文パートのネスティング 4.4 特殊なMIMEタイプ 4.4.1 message/external-bodyタイプ 4.4.2 message/partialタイプ 4.4.3 multipart/alternativeタイプ 4.5 MIMEメッセージの作成の注意事項 5章 OpenPGPとS/MIME 5.1 セキュリティ概念のごく簡単な紹介 5.2 OpenPGPとS/MIMEの概要 5.3 セキュリティとMIMEの結合 5.3.1 multipart/signed MIMEタイプ 5.3.2 multipart/encrypted MIMEタイプ 5.4 OpenPGPのフォーマット 5.5 S/MIMEのフォーマット 6章 vCard 6.1 vCardを使った個人データの交換 6.2 vCard バージョン3.0の概要 6.2.1 バージョン3.0の管理用タイプ 6.2.2 バージョン3.0の身元情報タイプ 6.3 vCard バージョン2.1の概要 6.4 vCardを電子メールメッセージに添付する方法 7章 メールボックス形式 7.1 mbox 7.1.1 mboxの変種 7.1.2 IMAP用のmboxの変種 7.2 MH 7.3 Maildir 8章 mailcapファイル 8.1 mailcapファイルのフォーマット 8.2 Unixオペレーティングシステムでの実装 8.3 Unix以外のオペレーティングシステムでの実装 9章 ESMTP 9.1 ESMTPの概要 9.2 ESMTPのコマンド 9.2.1 メールトランザクションコマンド 9.3 ESMTPのセッション 10章 POP 10.1 POPの概要 10.1.1 POPとIMAPの比較 10.2 POPのコマンド 10.2.1 認証ステート 10.2.1.1 ユーザ名/パスワードによる認証 10.2.1.2 APOP認証 10.2.1.3 AUTHによる認証 10.2.2 トランザクションステート 10.2.3 更新ステート 10.3 POPのセッション 11章 IMAP 11.1 IMAPの概要 11.2 IMAPのコマンド 11.2.1 未認証ステート 11.2.2 認証済みステート 11.2.3 選択済みステート 11.3 IMAPのセッション 12章 ACAP 12.1 ACAPの概要 12.1.1 ACAPのデータセット 12.1.2 アクセス制御 12.1.3 データセットの例 12.2 ACAPのコマンド 12.2.1 未認証ステート 12.2.2 認証済みステート 12.3 ACAPのセッション 13章 電子メール関係のPerlモジュール 13.1 Perlモジュールのダウンロードとインストール 13.2 メール関係モジュールの完成度 13.2.1 開発への貢献 13.3 電子メール関係モジュールのクイックリファレンス 13.3.1 エントリの読み方 13.3.2 MIME-Base64 13.3.3 MIME-Lite 13.3.4 MIME-tools 13.3.5 MailCclient 13.3.6 MailFolder 13.3.7 MailTools 13.3.8 libnet 13.3.9 POP3Client 14章 JavaMail API 14.1 JavaMail APIの概要 14.2 JavaMail APIリファレンス 14.2.1 エントリの読み方 14.2.2 javax.mailパッケージ 14.2.3 javax.mail.internetパッケージ 14.2.4 javax.mail.searchパッケージ 14.2.5 javax.mail.eventパッケージ 15章 マルチパートメッセージの作成と送信 15.1 MIME対応の/bin/mail互換ユーティリティの設計 15.2 mail.plの作成 15.3 mail.plの拡張と機能強化 15.4 JavaでMIME対応の電子メールを送信する 16章 メールボックスの管理 16.1 不要なMIME添付の削除 16.2 mboxscrub.plの作成 16.3 mboxscrub.plの拡張と機能強化 17章 IMAPメールボックスの監視 17.1 JBiffの設計 17.2 JBiffの作成 17.3 JBiffの拡張 18章 スパム防止のテクニック 18.1 UCE問題 18.2 受信者の対策 18.2.1 送られてくるメッセージのフィルタリング 18.2.2 報復 18.3 ISPの対策 18.3.1 MTAによる規制 18.3.2 契約による規制 18.4 法的な対策 19章 将来の電子メール 19.1 MUAの動向 19.2 Webメールの動向 19.3 ファイアウォールの内側の動向 付録A 電子メール関係のインターネットRFC 付録B MIMEメディアタイプ 付録C ASCII 付録D 電子メール関係のURL 用語集 索 引 図版目次 図1-1 単純化したインターネットメールシステム 図1-2 ゲートウェイによるSMTPを利用しないメールシステムとの相互運用 図1-3 ローカルMDAによるメール配送 図1-4 メールボックスへのアクセス 図1-5 LANに電子メールを配送するための転送MUA 図3-1 base64アルゴリズムによるオクテットストリームの処理 図3-2 画像の例 図9-1 エンベロープとメッセージ 図9-2 ESMTPセッションの例 図9-3 古いサーバによるSMTPセッションの例 図10-1 ダイアルインホストでのPOPの使用 図10-2 LAN型ダイアルアップでのPOPの使用 図10-3 POP3セッションの例 図11-1 モバイルユーザ向けのIMAPの使用例 図11-2 MAPセッションの例 図12-1 モバイルユーザ向けのACAP使用例 図12-2 ACAPのデータ階層 図12-3 ACAPセッションの例 図17-1 JBiffのユーザインタフェース