現代社会は多くのデータで溢れていますが、価値はデータや予測ではなく、意思決定によって生まれます。本書では、データの分析スキルを、ビジネス上の課題をより良い意思決定をもって処方的に解決するための能力であるとし、多くのユースケースを交えて解説します。ビジネス上の問いの立て方からスタートし、達成したい成果を明らかにした上でそのためのアクションを逆算していく。不確実性や因果関係の処理によって生み出される問題なども詳しく論じます。
AI技術を活かすためのスキル
―データをビジネスの意思決定に繋げるために
Daniel Vaughan 著、西内 啓 監訳、長尾 高弘 訳
- TOPICS
- Business/Essay
- 発行年月日
- 2021年11月
- PRINT LENGTH
- 272
- ISBN
- 978-4-87311-955-7
- 原書
- Analytical Skills for AI & Data Science
- FORMAT
- Print PDF EPUB
目次
監訳者まえがき はじめに 1章 分析的思考とAIドリブン企業 1.1 AIとは何か 1.2 現在のAIが約束を果たせていないのはなぜか 1.3 どのようにして現状に至ったか 1.3.1 データ革命 1.4 実現されていない期待の物語 1.5 今日のAIドリブン企業に求められる分析スキル 1.6 この章の重要な論点 1.7 参考文献 2章 分析的思考入門 2.1 記述的、予測的、処方的な問い 2.1.1 予測的分析が力を発揮するとき:がんの発見 2.1.2 記述的な分析:顧客離反 2.2 ビジネス上の問いとKPI 2.2.1 ロイヤルティ問題に対するソリューションの成否を測るためのKPI 2.3 意思決定の構造:単純な分解 2.3.1 具体例:あなたはなぜこの本を買ったか 2.4 因果関係入門 2.4.1 相関関係と因果関係の定義 2.4.2 因果関係の推定に含まれる難しさ 2.5 不確実性 2.5.1 単純化による不確実性 2.5.2 異質性による不確実性 2.5.3 社会的相互作用による不確実性 2.5.4 無知による不確実性 2.6 この章の重要な論点 2.7 参考文献 3章 ビジネス上の良い問いの立て方 3.1 ビジネス目標からビジネス上の問いへ 3.2 記述的、予測的、処方的な問い 3.3 いつもかならずビジネス上の問いからスタートして逆算する 3.4 ビジネス上の問いのさらなる分解 3.4.1 両面プラットフォームの例 3.5 ビジネス上の問いの立て方:一般的なユースケースによる例 3.5.1 離反率の減少 3.5.2 クロスセル:ネクストベストオファー 3.5.3 CAPEXの最適化 3.5.4 出店先の選定 3.5.5 誰を採用すべきか 3.5.6 延滞率 3.5.7 在庫の適正化 3.5.8 店舗の人員 3.6 この章の重要な論点 3.7 参考文献 4章 アクション、レバー、意思決定 4.1 アクショナブルとは何か 4.2 物理的なレバー 4.3 人間的なレバー 4.3.1 人間はなぜそのように行動するのか 4.3.2 制約によるレバー 4.3.3 選好に影響を与えるレバー 4.3.4 期待を変えるレバー 4.4 3章のユースケースへの応用 4.4.1 顧客離反 4.4.2 クロスセル 4.4.3 CAPEXの最適化 4.4.4 出店先の選定 4.4.5 誰を採用すべきか 4.4.6 延滞率 4.4.7 在庫の最適化 4.4.8 店舗の人員 4.5 この章の重要な論点 4.6 参考文献 5章 アクションから帰結まで:単純化の方法 5.1 なぜ単純化が必要か 5.1.1 1次効果と2次効果 5.2 分析力の鍛錬:フェルミの世界へようこそ 5.2.1 この長方形の部屋の床にテニスボールをいくつ並べられるか 5.2.2 メキシコシティのすべての窓を掃除するための料金としていくら請求するか 5.2.3 フェルミ問題を使った予備的なビジネス・ケースの作成 5.3 3章のユースケースへの応用 5.3.1 顧客離反 5.3.2 クロスセル 5.3.3 CAPEXの最適化 5.3.4 出店先の選定 5.3.5 延滞率 5.3.6 在庫の適正化 5.3.7 店舗の人員 5.4 この章の重要な論点 5.5 参考文献 6章 不確実性 6.1 不確実性はどこからやってくるのか 6.2 不確実性の定量化 6.2.1 期待値 6.3 不確実性のない意思決定 6.4 不確実性をともなう単純な意思決定 6.5 不確実性をともなう意思決定 6.5.1 これ以上のことはできないのか? 6.5.2 しかしこれは頻度主義の言い分に過ぎない 6.6 意思決定についての規範的理論と記述的理論 6.7 不確実性をともなう意思決定にひそむパラドックス 6.7.1 サンクトペテルブルクのパラドックス 6.7.2 リスク回避 6.8 実践での活用方法 6.8.1 確率の推定 6.8.2 期待値の推定 6.8.3 頻度主義の手法とベイズ主義の手法 6.9 3章のユースケースへの応用 6.9.1 顧客離反 6.9.2 クロスセル 6.9.3 CAPEXの最適化 6.9.4 出店先の選定 6.9.5 誰を採用すべきか 6.9.6 延滞率 6.9.7 在庫の適正化 6.10 この章の重要な論点 6.11 参考文献 7章 最適化 7.1 最適化とは何か 7.1.1 数理最適化は難しい 7.1.2 ビジネスの現場では最適化は決して新しい問題ではない 7.1.3 価格と売上の最適化 7.2 不確実性をともなわない最適化 7.2.1 顧客離反 7.2.2 クロスセル 7.2.3 CAPEXの最適化 7.2.4 人員規模の最適化 7.2.5 最適な出店先の選定 7.3 不確実性をともなう最適化 7.3.1 顧客離反 7.3.2 クロスセル 7.3.3 人員規模の最適化 7.3.4 不確実性をともなう最適化問題を解くためのテクニック 7.4 この章の重要な論点 7.5 参考文献 8章 まとめ 8.1 分析スキル 8.1.1 処方的な問いの立て方 8.1.2 因果関係の理解 8.1.3 単純化 8.1.4 不確実性の処理 8.1.5 最適化に向けての格闘 8.2 将来のAIドリブン企業 8.2.1 AI 8.3 締めくくりとして 付録A 機械学習の初歩についての簡単な説明 A.1 機械学習とは何か A.2 MLモデルの分類 A.2.1 教師あり学習 A.2.2 教師なし学習 A.2.3 半教師あり学習 A.3 回帰と分類 A.4 予測の生み出し方 A.4.1 代入方式の注意事項 A.4.2 この関数はどこからやってくるのか A.4.3 優れた予測の生み出し方 A.5 線形回帰からディープラーニングへ A.5.1 線形回帰 A.5.2 ニューラルネットワーク A.6 A/Bテスト入門 A.7 参考文献 索引