ビジュアライゼーションについてのエッセイ集。ビジュアライゼーションは情報のグラフィカルな提示であり、その描写は複雑な情報を一目で明らかにしてくれます。地下鉄の路線図がよい例です。情報をグラフィカルなイメージに変換することで、ただ単に美しいだけでなく、物事の真相と新しい解釈を効果的に生み出す細部の積み重なりを表現できます。本書では学者や技術者、芸術家、分析の専門家など異なる立場でそれぞれのプロジェクトに取り組むその道のプロによるさまざまなビジュアライゼーション手法やツールを紹介します。日本語版オリジナルの巻末付録を2本収録。情報通信研究機構の井上大介氏と衛藤将史氏には、サイバー攻撃をリアルタイムに視覚化するインシデント分析センター「nicter」と実ネットワークトラフィック視覚化システム「NIRVANA」について寄稿していただきました。監訳者の増井俊之氏には、Edward Tufte氏が近年取り組んでいる視覚化手法「Sparkline」について寄稿していただきました。
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● 「5章 地図情報 ――ニューヨーク市地下鉄路線図の再デザイン」(16MB)
ビューティフルビジュアライゼーション
Julie Steele、Noah Iliinsky 編、増井 俊之 監訳、牧野 聡 訳
- TOPICS
- Programming , Business/Essay
- 発行年月日
- 2011年10月
- PRINT LENGTH
- 400
- ISBN
- 978-4-87311-504-7
- 原書
- Beautiful Visualization
- FORMAT
目次
目次
監訳者まえがき
まえがき
1章 美しさについて ―Noah Iliinsky
美しさの構成要素
古典に学ぶ
美しさを手に入れるには
ビジュアライゼーションの実践
まとめ
2章 積み上げ時系列の物語
ビジュアライゼーションにおけるストーリー展開の重要性 ―Matthias Shapiro
問いかけ+視覚データ+コンテキスト=ストーリー
効果的なビジュアライゼーションを作成する手順
ビジュアライゼーション作成の実例
まとめ
3章 Wordle ―Jonathan Feinberg
Wordle の始まり
Wordle の仕組み
Wordle の評価
Wordle の利用
まとめ
謝辞
参考資料
4章 色彩
ビジュアライゼーションのシンデレラ ―Michael Driscoll
ビジュアライゼーションではなぜ色が使われるのか
光度を使ってデータの過密に対処する
発展:アニメーション
手法
まとめ
参考文献と推奨する資料
5章 地図情報
ニューヨーク市地下鉄路線図の再デザイン ―Eddie Jabbour(聞き手:Julie Steele)
よりよいツールを求めて
ロンドンの仕事
ニューヨークの憂鬱
よりよいグラフィックツールはよりよい地下鉄利用ツールを生む
大きさは1 つの要素にすぎない
温故知新
ニューヨークに固有の複雑さ
地理的位置は相互の関係を表す
ささいな事柄にも手を抜かない
まとめ
6章 Flight Patternプロジェクト
大空の深い探求 ―Aaron Koblin, Valdean Klump
手法とデータ
色
アニメーション
特異な点やエラー
まとめ
謝辞
7章 あなたの行動があなた自身を明らかに
ソーシャルパターンのマイニングとビジュアライゼーション ―Valdis Krebs
初期のソーシャルグラフ
Amazon での書籍購入データに見られるソーシャルグラフ
まとめ
参考資料
8章 アメリカ上院議員のソーシャルグラフのビジュアライゼーション(1991年〜2009年)
―Andrew Odewahn
ビジュアライゼーションの作成
発見されたストーリー
グラフの美しさ
グラフの醜さ
まとめ
参考資料
9章 検索と発見における全体像の作成 ―Todd Holloway
ビジュアライゼーションのテクニック
YELLOWPAGES.COM
Netflix Prize
独自のビジュアライゼーションの作成
まとめ
参考資料
10章 ソーシャルネットワークの混沌としたビジュアライゼーションにおける美しい洞察 ―Adam Perer
ソーシャルネットワークのビジュアライゼーション
ソーシャルネットワークを視覚化しようとするユーザー
SocialAction の設計
ケーススタディ:混沌から美しさへ
参考資料
11章 美しい履歴
Wikipedia のビジュアライゼーション ―Martin Wattenberg, Fernanda Vi醇Pgas
グループによる編集作業
History Flow:編集履歴のビジュアライゼーション
Chromogram(ある1人の編集内容だけを表示する)
まとめ
12章 表のツリー表現
Parallel Sets の進化−Robert Kosara
属性データ
Parallel Sets
表示の再設計
新しいデータモデル
データベースモデル
木構造の進化
実世界でのParallel Sets
まとめ
参考資料
13章 X by Y プロジェクトの設計
アルス・エレクトロニカのアーカイブに対する情報美学的な探求 ―Moritz Stefaner
概要と基本方針
データの理解
データについての探求
最初のビジュアライゼーションの試作
最終版のビジュアライゼーション
まとめ
謝辞
参考資料
14章 マトリックスの顕在化 ―Maximilian Schich
データが多ければよいのか
ネットワークとしてのデータベース
データモデルの定義と発現
ネットワークの広がり
マクロの視点から見たマトリックス
結合による集合体の表現
マトリックスに対するさらなる操作
改善されたマトリックス
より大規模なデータへの適用
今後の応用
まとめ
謝辞
参考資料
15章 それは1994 年のことだった
NYTimes Article Search API を用いた調査 ―Jer Thorp
データの入手(NYTimes Article Search API)
データの管理にProcessing 言語を利用する
3つの簡単なステップ
検索結果中のファセット
関連性の取得
まとめ
16章 New York Times の1日 ―Michael Young, Nick Bilton
データの収集
不要なデータの除去
Python、Map/Reduce、Hadoop
最初のビジュアライゼーション
シーン1、テイク1
シーン1、テイク2
2回目のビジュアライゼーション
表示サイズの変更とその他の最適化
高速再生風動画の実際
このビジュアライゼーションの意義
まとめ
謝辞
17章 複雑系の解明と没入
― Lance Putnam, Graham Wakefield, Haru Ji, Basak Alper, Dennis Adderton,
Professor JoAnn Kuchera-Morin
マルチモーダルな研究領域
創造的思考へのロードマップ
研究プロジェクトの紹介
まとめ
参考資料
18章 検視におけるビジュアライゼーション
信頼できる標準を目指して ―Anders Persson
背景
法医学研究への影響
VA の手順
VA の将来
まとめ
参考資料
19章 ビジュアライゼーションにおけるアニメーション
可能性と課題 ―Danyel Fisher
アニメーションとは
科学分野でのビジュアライゼーションにおけるアニメーション
漫画に学ぶ
発表と探索は異なる
さまざまなアニメーション
DynaVis によるアニメーションの段階的実現
アニメーションでの原則
まとめ(アニメーションを行うべきか、行わざるべきか?)
推奨する資料
謝辞
参考資料
20章 Indexed(ビジュアライゼーション篇) ―Jessica Hagy
ビジュアライゼーション−それは象
ビジュアライゼーション−それは芸術
ビジュアライゼーション−それはビジネス
ビジュアライゼーション−それは永久
ビジュアライゼーション−それはまさに今
ビジュアライゼーション−それは符号化
ビジュアライゼーション−それは明白
ビジュアライゼーション−それは学習可能
ビジュアライゼーション−それはバズワード
ビジュアライゼーション−それはチャンス
付録A サイバー攻撃のビジュアライゼーション
―井上 大介, 衛藤 将史
サイバー空間のウォー・ゲーム
テキストとの戦い
インシデント分析センターnicter
Atlas:世界地図上でのサイバー攻撃視覚化
Cube:立方体中のサイバー攻撃視覚化
NIRVANA:実ネットワーク分析への視覚化技術の応用
謝辞
付録B Edward Tufte とSparkline
―増井 俊之
Web ページにSparkline を表示
Sparkline によるアクセス履歴の視覚化
アクセスパターンを考慮した履歴の視覚化
履歴視覚化の実装
索引
著者・編者紹介