セキュアで信頼性が高いとPostfixが評価されるのは、後発で開発されるソフトウェアが持つ大きな強みです。事実、Postfixが開発されたきっかけは、今よりも平和な時代に開発されたSendmailの問題を解消することにありました。しかし、Postfixの魅力はそれだけではありません、設定や管理の容易さとシステムの柔軟性はユーザの幅広いニーズに応えてくれます。本書は、著者がPostfixで試行錯誤して得た経験をわかりやすく1冊の本にまとめたものです。インストール、設定から活用例までを盛り込み、巻末には設定パラメタのリファレンスも収録したPostfix実用ガイドの決定版です。
Postfix 実用ガイド
Kyle D. Dent 著、菅野良二 訳
- TOPICS
- 発行年月日
- 2004年08月
- PRINT LENGTH
- 328
- ISBN
- 978-4-87311-195-7
- 原書
- Postfix: The Definitive Guide
- FORMAT
目次
まえがき 1章 はじめに 1.1 Postfixの起源と哲学 1.2 電子メールとインターネット 1.2.1 電子メールコンポーネント 1.2.2 主要な電子メールプロトコル 1.3 Postfixの役割 1.4 Postfixのセキュリティ 1.4.1 モジュール型の設計 1.4.2 シェルとプロセス 1.4.3 設計上のセキュリティ 1.5 追加情報とPostfixの入手方法 2章 前提知識 2.1 Unixについて 2.1.1 ログイン名とUID番号 2.1.2 擬似アカウント 2.1.3 標準入力と標準出力 2.1.4 スーパーユーザ 2.1.5 コマンドプロンプト 2.1.6 長いコマンドライン 2.1.7 ManPage 2.2 電子メールについて 2.2.1 RFC 2.2.2 電子メールエージェント 2.2.3 Postmaster 2.2.4 拒否とバウンス 2.2.5 エンベロープアドレスとメッセージヘッダ 2.2.6 電子メールアドレスのローカル部分 2.2.7 電子メールメッセージ形式 2.2.8 SMTPプロトコル 3章 Postfixアーキテクチャ 3.1 Postfixコンポーネント 3.2 Postfixシステムへのメッセージの着信形態 3.2.1 ローカル電子メールの投函 3.2.2 ネットワーク経由による電子メールの着信 3.2.3 Postfix電子メールの通知 3.2.4 電子メール転送 3.3 Postfixキュー 3.4 メール配信 3.4.1 ローカル配信 3.4.2 仮想エイリアスメッセージ 3.4.3 仮想メールボックスメッセージ 3.4.4 リレーメッセージ 3.4.5 その他のメッセージ 3.4.6 その他の配信エージェント 3.5 Postfixを通過するメッセージの追跡 4章 一般的な設定と管理 4.1 Postfixを実際に起動してみる 4.2 設定ファイル 4.2.1 main.cf設定ファイル 4.2.2 ルックアップテーブル 4.2.3 その他の形式 4.2.4 エイリアスファイル 4.3 設定に関する重要な考慮事項 4.3.1 MTAのIDの設定 4.3.2 リレー制御 4.4 管理 4.4.1 ログの記録 4.4.2 Postfixの起動、停止、そして再ロード 4.4.3 システム起動時にPostfixを実行する 4.4.4 キューの管理 4.5 master.cf 4.6 受信側の制限 4.7 アドレスの書き替え 4.7.1 canonicalアドレス 4.7.2 ホスト名のマスカレード 4.7.3 relocatedユーザ 4.7.4 不明ユーザ 4.8 chroot 4.9 ドキュメント 5章 キューの管理 5.1 qmgrの仕組み 5.1.1 遅延メール 5.1.2 キューのスケジューリング 5.1.3 メッセージ配信 5.1.4 破損したメッセージ 5.1.5 エラーの通知 5.2 キューの管理ツール 5.2.1 キューのリストアップ 5.2.2 メッセージの削除 5.2.3 メッセージの保留 5.2.4 メッセージのキューへの入れ直し 5.2.5 メッセージの表示 5.2.6 メッセージのフラッシュ 6章 電子メールとDNS 6.1 DNSの概要 6.2 電子メールルーティング 6.3 PostfixとDNS 6.3.1 DNSとメール送信 6.3.2 DNSとメール受信 6.4 一般的な問題 7章 ローカル配信とPOP/IMAP 7.1 Postfix配信トランスポート 7.2 メッセージストア形式 7.2.1 Mbox形式 7.2.2 Maildir形式 7.2.3 MboxとMaildir 7.3 ローカル配信 7.3.1 .forwardファイル 7.3.2 エイリアス配信 7.3.3 メールボックス配信 7.4 POPとIMAP 7.4.1 IMAPの利点 7.4.2 PostfixとPOP/IMAPサーバ 7.5 LMTP 7.5.1 PostfixとCyrus IMAP 7.5.2 PostfixとCyrus IMAPの例 8章 複数ドメインのホスティング 8.1 システムアカウントを利用した共有ドメイン 8.2 システムアカウントを利用した個別ドメイン 8.3 仮想アカウントを利用した個別ドメイン 8.3.1 メールボックスファイルの所有者 8.3.2 仮想エイリアス 8.3.3 CatchAll(キャッチオール)アドレス 8.4 個別のメッセージストア 8.5 コマンドへの配信 8.5.1 仮想自動応答プログラムの設定 8.5.2 仮想メーリングリストマネージャの設定 9章 メールリレー 9.1 バックアップMX 9.1.1 リレー受信者 9.1.2 高速flush 9.2 トランスポートマップ 9.2.1 メール配信の遅延 9.3 内向けのメールゲートウェイ 9.4 外向けのメールリレー 9.5 UUCP、ファックスなどへの配信 10章 メーリングリスト 10.1 簡単なメーリングリスト 10.1.1 メーリングリストの所有者 10.1.2 個別のリストファイル 10.1.3 追加のエイリアスファイル 10.1.4 簡単なメーリングリストの作成 10.1.5 リストのテスト 10.2 メーリングリストマネージャ 10.2.1 Majordomo 10.2.2 Mailman 11章 UBE(Unsolicited Bulk Email)のブロック 11.1 スパムの性質 11.2 スパムの問題 11.3 オープンリレー 11.4 スパム検出 11.4.1 クライアントベースのスパム検出 11.4.2 コンテンツベースのスパム検出 11.4.3 スパム検出の難しさ 11.5 アンチスパムのアクション 11.6 Postfix設定 11.7 クライアント検出規則 11.7.1 SMTP対話(簡単解説) 11.7.2 制限の指定 11.7.3 制限の定義 11.7.4 制限リストの追跡 11.8 厳密な構文パラメータ 11.9 コンテンツチェック 11.9.1 コンテンツチェックの設定 11.9.2 コンテンツチェックのアクション 11.9.3 パターンの比較 11.10 カスタマイズした制限クラス 11.10.1 サンプルの制限クラス 11.11 Postfixアンチスパム例 12章 SASL認証 12.1 SASLの概要 12.1.1 認証メカニズムの選択 12.1.2 認証フレームワークの選択 12.2 PostfixとSASL 12.3 SASLのためのPostfix設定 12.3.1 フレームワークの指定 12.3.2 Postfixの設定 12.3.3 設定のまとめ 12.4 認証設定のテスト 12.5 SMTPクライアント認証 12.5.1 SMTPクライアント認証を有効にする手続き 13章 TLS 13.1 PostfixとTLS 13.2 TLS証明書 13.2.1 CA 13.2.2 サーバ証明書の作成 13.2.3 CA証明書のインストール 13.2.4 Postfix/TLS設定 13.2.5 Postfix/TLS設定のまとめ 13.2.6 クライアント側証明書が必要な場合 13.3 TLS/SMTPクライアントの設定 14章 コンテンツフィルタリング 14.1 コマンドベースのフィルタリング 14.1.1 設定 14.2 デーモンベースのフィルタリング 14.2.1 設定 14.2.2 デーモンベースのフィルタ例 14.3 その他の考慮事項 15章 外部データベース 15.1 MySQL 15.1.1 MySQL設定 15.1.2 MySQLの例 15.2 LDAP 15.2.1 LDAPの設定 15.2.2 LDAPの例 付録A 設定パラメータ A.1 Postfixパラメータリファレンス 付録B Postfixコマンド 付録C Postfixのコンパイルとインストール C.1 Postfixの入手方法 C.2 Postfixコンパイルの手引き C.2.1 コンパイラオプション C.2.2 リンカオプション C.3 Postfixのビルド C.3.1 ビルドのカスタマイズ C.3.2 Postfixのデフォルトの変更 C.4 インストール C.5 アドオンパッケージのコンパイル C.5.1 Cyrus SASL C.5.2 TLS C.5.3 MySQL C.5.4 LDAP C.5.5 一般的な問題 C.6 まとめ 付録D FAQ