本書は、乱立するメタデータリポジトリを統合・調整し、組織的なデータ管理の課題を解決するため、「メタグリッド」によるリポジトリ管理やデータ探索チームの構築手法など、経営層からアーキテクトまでが押さえるべき戦略を網羅しています。一見、大企業向けの抽象的な理論に見えますが、本書の本質は、EMS、IR、IAMといった「管理のための仕組み」がなぜ存在するのかを、現場のエンジニア視点でも納得させてくれる点にあります。データ民主化やセキュリティ強化を支える基盤の全体像を一通り頭に入れることで、日々の開発の背景にある「組織の意図」が理解できるようになります。エンジニアの「面倒」が「納得」に変わる一冊です。
メタデータ管理入門
―メタグリッドで実現するAI時代の知識統合技術
Ole Olesen-Bagneux 著、菊池 彰 訳
- TOPICS
- Database , AI/LLM
- 発行年月日
- 2026年08月26日
- PRINT LENGTH
- 236
- ISBN
- 978-4-8144-0176-5
- 原書
- Fundamentals of Metadata Management
- FORMAT
目次
序
訳者まえがき
はじめに
1章 包括的メタデータ管理に向けて
1.1 さまざまな場所で行われるメタデータ管理
1.2 データディスカバリーチーム
1.3 メタグリッド:データ分散化の第三の波
1.3.1 マイクロサービス
1.3.2 データメッシュ
1.3.3 メタグリッド
1.4 まとめ
Ⅰ部 IT、データ、情報、知識管理のためのメタデータリポジトリ
2章 ITランドスケープのためのメタデータリポジトリ
2.1 メタデータとは何か?
2.2 ITランドスケープにおけるメタデータの種類
2.3 メタデータリポジトリとは何か?
2.3.1 ドライバ:メタデータリポジトリのさまざまな波
2.3.2 目的:中核機能
2.3.3 配置:さまざまなレベルのメタデータリポジトリ
2.3.4 構造:メタデータリポジトリにおけるメタモデル
2.4 まとめ
3章 IT管理
3.1 エンドポイント管理システム
3.2 統合リポジトリ
3.3 資産管理システム
3.4 構成管理データベース
3.5 ITサービス管理システム
3.6 エンタープライズアーキテクチャ管理ツール
3.7 IT管理のためのメタデータリポジトリ
3.8 まとめ
4章 データ管理
4.1 データカタログ
4.2 データベースモデルの管理
4.3 データ管理のためのその他のメタデータリポジトリ
4.3.1 データウェアハウス
4.3.2 データレイク
4.3.3 データレイクハウス
4.3.4 データパイプラインツール
4.3.5 データ品質ツール
4.3.6 アイデンティティとアクセス管理
4.4 データ管理技術の再統合
4.5 データ管理のためのメタデータリポジトリ
4.6 まとめ
5章 情報管理
5.1 記録・情報管理システム
5.1.1 記録保持のシナリオ
5.1.2 RIMSの組織的側面
5.1.3 メタデータリポジトリとしてのRIMS
5.2 情報セキュリティマネジメントシステム
5.2.1 ISMSの組織的側面
5.2.2 メタデータリポジトリとしてのISMS
5.3 データ保護リポジトリ
5.3.1 DPRの組織的側面
5.3.2 メタデータリポジトリとしてのDPR
5.4 ビジネスプロセス管理システム
5.5 情報管理のためのメタデータリポジトリ
5.6 まとめ
6章 知識管理
6.1 コンテンツ管理システム
6.2 知識管理システム
6.3 学習管理システム
6.4 品質マネジメントシステム
6.5 コレクション管理システム
6.6 知識管理のためのメタデータリポジトリ
6.7 まとめ
7章 従来のメタデータ管理はどのように誤っているのか
7.1 異なる業務は異なるメタモデルを持つ
7.1.1 ダークメタデータ
7.1.2 その他のアプリケーションとドメイン
7.2 可能性:チームとテクノロジーの融合
7.2.1 資金
7.2.2 構造化対非構造化
7.3 まとめ
Ⅱ部 メタデータリポジトリはデータディスカバリーチームによって連携されなければならない
8章 有能、有害、不格好
8.1 舞台の設定
8.2 有能な者
8.3 有害な者
8.4 不格好な者
8.5 まとめ
9章 データディスカバリーチーム
9.1 課題:チーム横断で複数の真実を管理
9.1.1 コンウェイの法則
9.1.2 メタデータのモノリス
9.2 解決策:データディスカバリーチーム
9.3 データディスカバリーチームとは
9.3.1 企業における政治的および技術的な混乱について
9.3.2 複数の真実を受け入れ、前進する道を提供する
9.4 データディスカバリーチームのコラボレーション
9.4.1 エンタープライズアーキテクトとの連携
9.4.2 データ保護責任者との連携
9.4.3 最高情報セキュリティ責任者との連携
9.4.4 記録・情報管理者との連携
9.4.5 データサイエンスチームとの連携
9.5 まとめ
Ⅲ部 メタデータリポジトリをつなぐメタグリッド
10章 メタグリッドとは
10.1 メタグリッド宣言
10.1.1 メタグリッドはデータ分散化の第三の波である
10.1.2 メタグリッドは単一世界観のモノリスから解放する
10.1.3 メタグリッドは決して完成することがない
10.1.4 メタグリッドはシンプルで、小さく、遅い
10.2 メタグリッドとは何であり、何でないか
10.3 メタグリッドの文書化
10.4 メタグリッドの例
10.4.1 データ種別
10.4.2 アプリケーション
10.4.3 データモデル
10.4.4 統合
10.4.5 データリネージ
10.4.6 サーバ
10.4.7 組織
10.4.8 ビジネスプロセス
10.5 実世界のメタグリッドアーキテクチャ
10.5.1 質問
10.5.2 回答
10.6 まとめ
11章 メタグリッドの位置付け
11.1 メタグリッドは構築するものではなく、見出すものである
11.2 無意識に存在するメタグリッドアーキテクチャを見出す
11.2.1 データ主導(願望)
11.2.2 FinOps
11.2.3 インテークファンネル
11.3 メタグリッドは核分裂アーキテクチャである
11.3.1 エネルギー
11.3.2 連鎖的拡大
11.3.3 暴走
11.4 マイクロサービス、データメッシュ、メタグリッド
11.4.1 メタグリッドにおけるマイクロサービス
11.4.2 メタグリッドにおけるデータメッシュ
11.4.3 メタグリッドはデータメッシュやマイクロサービスに変質してはならない 161
11.5 メタグリッドを支える技術
11.6 まとめ
12章 メタグリッドの利点
12.1 メタグリッドはテクノロジーではない
12.1.1 ITランドスケープ全体像の把握改善
12.1.2 メタデータリポジトリの円滑な導入
12.1.3 メタデータリポジトリ所有者のエンパワーメント
12.1.4 リスクとプライバシー両面における、より安全なデータガバナンス
12.1.5 データ主導型イノベーションの可能性向上
12.1.6 ITランドスケープとコンサルタント支援のコスト削減
12.1.7 コスト削減の例
12.1.8 環境に配慮したITランドスケープ
12.2 メタグリッドはテクノロジーである
12.2.1 メタデータリポジトリを横断した、メタデータの知識グラフ構築
12.2.2 生成AIを用いた対話的なメタグリッドの検索
12.2.3 エージェントAIによるメタグリッドの自動実行
12.3 まとめ
13章 データディスカバリーチームとチームトポロジーとしてのメタグリッド
あとがき
索引