エンタープライズサービスバス(ESB)は標準ベースのサービス指向アーキテクチャ(SOA)を利用し、エンタープライズ全体のアプリケーション統合を可能にする技術です。本書では、ESBアーキテクチャの概論、XML、MOM、サービス呼び出しモデルなど、技術の基礎となる部分から、ESBにおけるJavaコンポーネント、ESBの統合パターンと設計ソリューション、ESBとWebサービスの進化など、高度なトピックまでを扱います。ESBのコンセプトとアーキテクチャを豊富な図で分かりやすく解説する本書は、エンタープライズアプリケーションの構築、統合、設計に取り組む技術者必携の一冊です。
エンタープライズサービスバス
―ESBとSOAによる次世代アプリケーション統合
David A. Chappell 著、ソニック ソフトウェア株式会社 監修、渡邉 了介 訳
![[cover photo]](https://www.oreilly.co.jp/books/images/picture_large4-87311-220-6.jpeg)
- TOPICS
- Programming , Web , Java
- 発行年月日
- 2005年02月
- PRINT LENGTH
- 288
- ISBN
- 4-87311-220-6
- 原書
- Enterprise Service Bus
- FORMAT
目次
本書に寄せて はじめに 本書の構成 各章の概要 ESB統合パターンの表記規約 図解の表記法 本書で用いる表記 お問い合わせ先 謝辞 1章 ESB入門 1.1 イベント駆動型エンタープライズにおけるSOA 1.2 広汎性ある統合への新たな手法 1.3 今日利用できるWebサービス向けSOA 1.4 従来の統合手法 1.5 ITニーズがもたらす要件 1.6 業界の影響 ESBを採用しているベンダ 1.7 ESBの特性 広汎性 標準ベースの統合 高度に分散した統合と選択配備 分散データ変換 レイヤードサービスの拡張 イベント駆動型SOA プロセスフロー セキュリティと信頼性 自律しつつ連携する環境 リモート設定および管理 ESBの「ネイティブ」データタイプとしてのXML ビジネスデータのリアルタイムスループット オペレーショナルアウェアネス 段階的な採用 1.8 業界によるESBの採用 金融 保険 製造 小売 通信 エネルギ・公益事業 食品流通ネットワーク 政府機関 まとめ 2章 統合の状況 2.1 統合を促すビジネス要因 IT支出の動向 優先順位が高い統合 規制遵守 STP RFID 2.2 エンタープライズ統合の現状 エンタープライズの不十分な接続状況 アクシデンタルアーキテクチャ ETL、バッチ転送、FTP 統合ブローカ 2.3 EAIとSOAから得たベストプラクティスの活用 XMLの採用 Webサービスの採用とSOAの実装 2.4 ESBへのリファクタリング 個別プロジェクトレベルでのESB導入 広域分散エンタープライズへのESBの波及 リーブ&レイヤ――既存EAIブローカとの接続 パートナの統合 まとめ 3章 必要は発明の母 3.1 ESBの進化 3.2 グローバル製造におけるESB 試験運用 3.3 拡張エンタープライズにおけるエッジの発見 電子商取引トレーディングハブ 拡張エンタープライズ――常に変化するエッジ 常に変化するネットワークエッジの捕捉 3.4 標準ベースの統合 統合の新たな経済性 技術費用の低下 3.5 ケーススタディ――製造業 リアルタイムビジネスの構築 パートナの柔軟な統合 まとめ 4章 XML――ビジネスデータ統合の基盤 4.1 統合の言語 人間が読めるXML 4.2 変更しても破綻しないアプリケーション 4.3 コンテンツベースのルーティングおよび変換 4.4 汎用データ交換アーキテクチャ 基準フォーマットを介したデータ変換 基準データ交換の採用 代替手法 まとめ 5章 MOM 5.1 「密結合インタフェイス」対「疎結合インタフェイス」 RPC式のプログラミング 密結合インタフェイス 疎結合対話 疎結合インタフェイス Nの2乗のデータフォーマット――膨大なデータ変換こそ問題 バスに乗る 疎結合Webサービス標準 5.2 MOMの概念 抽象的な分離 メッセージングモデル――パブリッシュ&サブスクライブと ポイントツーポイント トピックの階層構造 アクセス制御リスト(ACL) メッセージの内容 5.3 非同期の信頼性 メッセージの自律性 ストアアンドフォワード メッセージの永続性 メッセージ確認応答 5.4 信頼できるメッセージングモデル 信頼できるパブリッシュ&サブスクライブ 信頼できるポイントツーポイントキュー 複数のメッセージサーバを介するストアアンドフォワード 5.5 メッセージのトランザクション化 ローカルトランザクション 複数のリソースを伴うトランザクション 下位レベルの複雑さを取り除くESB 5.6 リクエスト/レスポンスメッセージングパターン リプライ−フォワードパターン 5.7 メッセージング標準 JMS SOAPとの信頼できるメッセージング Webサービスのイベントと通知 まとめ 6章 サービスコンテナと抽象化されたエンドポイント 6.1 抽象化されたエンドポイントを介したSOA 6.2 コアにおけるメッセージングと接続性 6.3 多様な接続性とその選択 6.4 図解の表記法 6.5 独立配備可能な統合サービス 6.6 ESBサービスコンテナ サービスコンテナの管理インタフェイス ESBサービスインタフェイス 監査、ロギング、エラー処理 ESBサービスコンテナの機能 ESBコンテナ接続の標準化 6.7 サービスコンテナ、アプリケーションサーバ、統合 ブローカ 標準の遵守 集中ハブ&スポーク処理 コンテナの内容 管理の基盤 「コンパイルされたクラスファイル」対「宣言型ルール」 アプリケーションサーバは廃止すべきか まとめ 7章 ESBサービス呼び出し、ルーティング、SOA 7.1 発見、結び付け、呼び出し 7.2 ESBサービス呼び出し 7.3 行程に基づくルーティング――高度に分散したSOA 7.4 コンテンツベースルーティング(CBR) BPEL4WSを使用した条件ルーティング 7.5 サービスの再利用性 パラメータ化と設定 「再利用」対「コンポジション」 7.6 ESBの専門サービス 行程とサービスを使用するルーティングパターン オーケストレーションサービスを使用する高度なプロセスフロー (BPEL4WS) XMLのストレージおよびキャッシングサービス プロセスモデリングにおける収束 まとめ 8章 プロトコル、メッセージング、カスタムアダプタ、サービス 8.1 ESBのMOMコア MOMの相互運用性 MOMバックボーンと外部プロトコルの80対20ルール 8.2 汎用メッセージ呼び出しフレームワーク プロトコルのブリッジング MOMのブリッジング ダイレクトプロトコルハンドラ SOAPプロトコルハンドラ 非同期エラーの配信先 8.3 ケーススタディ――パートナの統合 安全なDMZ配備 ATP SAPアダプタ――カスタムESBサービス EDIのトランスポーテーションと変換 EDI VAN依存の排除 将来を見越して まとめ 9章 バッチ転送の待ち時間 9.1 ETLの欠点 ETLにおける信頼性とデータの妥当性 望ましくないダウンタイムとデータ同期のロジスティクス データ収集の総合的な待ち時間 9.2 典型的な解決法――過剰在庫 9.3 ケーススタディ――真のリアルタイム統合への移行 ESBの挿入 データの変換とルーティング 考慮すべき事項 まとめ 10章 ESBにおけるJavaコンポーネント 10.1 JBI ESBコンテナとしてのJBI JBIと他のJava仕様 10.2 JCA 専門知識の有効性 ESBからアプリケーションサーバへの接続性 10.3 JMX JMXの基本 ESBアーキテクチャにおけるJMX管理 JMXが管理するESBコンポーネント ディレクトリキャッシュ テンプレートに基づくリモート設定の複製 まとめ 11章 ESBの統合パターンと頻出する設計ソリューション 11.1 VETOパターン バリエーション――VETROパターン 11.2 2段階相互参照パターン 11.3 ポータルサーバ統合パターン ポータルサーバ配備アーキテクチャ ポータルサーバの課題 統合バックボーンとしてのESBの挿入 11.4 キャッシュフォワード統合パターン パブリッシュ&サブスクライブを使用するデータフォワーディング 行程に基づくルーティングを使用するデータフォワーディング キャッシュフォワードパターンに関する他の考慮事項 11.5 連携照会パターン キャッシュプッシュパターン対キャッシュプルパターン リアルタイムリクエストパターン 長期継続リクエストパターン 連携照会パターンのバリエーション まとめ 12章 ESBとWebサービスの進化 12.1 仕様間の組み合わせ可能性 12.2 WS-*仕様の概要 12.3 ESBにおけるWS-*仕様の採用 WS-*はエンタープライズ機能を意味しない WS-*はESBを意味しない 結論 付録:ESBベンダ一覧 参考資料 分析レポート 書籍 その他 Webサービス仕様 Java仕様 索引