日本はコネクトに向かう! - 『コネクト』監訳者・野村 恭彦氏の寄稿をご紹介

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2013/07/08 16:46
いよいよ来週末に発売を迎える『コネクト -企業と顧客が相互接続された未来の働き方』。関連イベントもひき続き参加者募集中です。
コネクト ―企業と顧客が相互接続された未来の働き方』 刊行記念セミナー 日本語版の刊行にあたり、監訳者の野村 恭彦氏(株式会社フューチャーセッションズ 代表取締役、K.I.T.金沢工業大学 虎ノ門大学院教授、国際大学GLOCOM主幹研究員)に寄稿をいただきました。

コネクトに向かう日本

日本社会の中で、これほどまでに「コネクト=相互接続」が注目される時代は、あったでしょうか。
震災後、日本では絆やつながりの大切さを再認識し、再構築してゆこうという動きが活発になりました。震災の復興で私たちが学んだことは、公共サービスのようなハードな関係性が壊れてしまったときに、地域内の知り合いやボランティアといったソフトな関係性が一番頼りになったという教訓です。そして、この気づきは旧来の村社会の再生ではなく、共助のための新たなつながりの構築へと向かい始めています。
コネクトは、組織間の契約や提携のようなハードな関係性ではなく、人と人とが個人レベルでつながるソフトな関係性です。受動的につなぎとめられてしまう制約ではなく、主体的につながっていくことのできる自由度をコネクトはもたらします。生活の場である地域コミュニティや、仕事の場である会社の中で、コネクトのもたらす影響はきわめて大きくなってきています。
これまで、伝統的な日本企業では、会社の同じ部署の人たちが親戚同士のような付き合いをしてきました。仕事が終わると一緒に飲みにゆき、上司の家に遊びにいったり、結婚相手を紹介したりすることも珍しくありませんでした。毎年新入社員が加わり、飲み会幹事などの雑用役が引き継がれてきました。このように、会社の契約というハードな関係性に、ソフトな関係性を適応させてきたのが伝統的な会社文化でした。
このような会社文化は、この十数年間で減退の一途をたどっています。それは若者の個人主義の台頭によるものとされてきました。しかしこの数年は、会社のハードな関係性に飽き足らない若手・中堅の社員が、主体的に会社の外に多様な人とのつながりを作ってゆく、まさに「コネクト」に対する意識の目覚めによるものだと言っていいでしょう。社外の勉強会、読書会、対話の場、プロボノ活動など、自分のキャリアを広げるための社外活動は、すごいスピードで広がっています。
この動きを加速するように、個人が主体的に関係性を広げるためのプラットフォームが、数多く生まれてきています。グロービスやKIT虎ノ門大学院のような社会人大学院に加え、アカデミーヒルズ、丸の内朝大学、シブヤ大学といった市民スクールが、単なる学習の場には終わらない、イノベーションを生み出す創発の場へと拡張しようとしています。co-baやHUB Tokyo、colab、CTW、Creative Lounge MOV、ビジネスエアポート青山、LEAGUEのようなコワーキングスペースやシェアオフィスも、仕事をするための場にとどまらない、対話や創発の場として使われてきています。
超高齢化社会、震災復興、エネルギーや食料の自給、製造業の海外移転、ダイバーシティ推進の遅れなど、課題先進国と呼ばれる日本は、企業・行政・社会起業家がセクターを超えて協力して解決していかなければならない問題を数多く抱えています。個人レベルで進むコネクト化の流れを活かし、いかに行政やビジネスのイノベーションにつなげていくかが、日本社会の最大のチャレンジなのです。
本書『コネクト』は、主体的につながりながら働く組織づくりをめざした、起業家、経営者、そしてあらゆる企業の変革リーダーにとって、クリアな道筋を描いてくれるものです。
(「監訳者まえがき」より一部抜粋。続きは野村氏による本書のサポートサイトにてご覧ください。)

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