Haskellerたちの憧憬の的であり、また『ビューティフルコード』の24章の著者でもあるSimon Peyton Jonesさんをお迎えしてIIJ大会議室で開かれた「Haskellers Meeting 2010 Spring」は大盛況のうちに終わりました。
Simonさんは「ソフトウェア・トランザクション・メモリ」について講演。『ビューティフルコード』の24章、『Real World Haskell』の28章で取り上げられているトピックです。Simonさんは"How to give a good research talk"(いいプレゼンのしかた)という伝説のスピーチをされているだけに、ぐいぐい引き込まれ、またHaskellへの愛がひしひしと伝わってくるすばらしいプレゼンでした。
続いて『PGP―暗号メールと電子署名』(残念ながらいまは絶版)の監訳者である山本和彦さんが、「Haskell で Web サーバーを実装してみました」、そして『Real World Haskell』の訳者の一人である山下伸夫さんが「もうひとつのIOの表現」をテーマに発表されました。外は41年ぶりに雪が降る寒さでしたが、会場はHaskellerたちのすごい熱気で満たされていました。
なお、Simonさんは、今秋日本語版が発刊予定の言語設計者たちのインタビューをまとめた『Masterminds of Programing』の「8章Haskell」にも登場しています。Paul Hudak、Philip Wadler、John HughesといったHaskellの主要開発メンバーとともにHaskellの開発方針やその魅力を語っています。どうぞお楽しみに。(編集A)
読者のサインの求めに快く応じるSimonさん
Simonさんの熱いプレゼン
今秋発刊予定の「Mastermainds of Programming」を手にするSimonさん
5/11追記:
このエントリが英訳されて、SimonさんのWebページに掲載されています。
http://research.microsoft.com/en-us/um/people/simonpj/papers/stm/index.htm#tokyo