10月15日、都内でOSDNジャパン主催のLinux Kernel Conferenceが開催され、国内外から多くの開発者が集まりました。2001年から毎年開催されているこのイベントは、第1回から『
詳解Linuxカーネル 第2版』『
Linuxネットワーク管理 第2版』の監訳者、高橋浩和さんがチェアパーソンを務めていらっしゃいます。今回は10年来のカーネル開発者であるDavid S. Miller氏、そして最新版カーネルのブロックI/Oレイヤの開発を行っているNovell社のJens Axboe氏のほか、『
』の監訳もされている三好和人さんをはじめ日本を代表するカーネル開発者の方々が最先端の成果を披露されました。
当日のプログラムはOSDNジャパンのサイトで確認できます。
三好さんは「大規模サーバへのLinux適用〜エンタープライズ適用に向けた2.6カーネルへの期待」として、大規模システムでLinux2.6の真価を発揮させるための手法や注意点を、数々のデータを示しながら紹介。そして、高橋さんは「メモリホットプラグの現状と今後」と題して、システム稼動中にメモリを動的に追加/削除する開発中の機能についての現時点の進捗と予定、将来の展望をお話されていました。

三好和人さん

高橋浩和さん
会場には聞き手側にもLinuxカーネル開発の第一人者が勢ぞろい。オライリー書籍の著者、訳者、監訳者の方だけでなく、日本を代表する研究者の姿も見られました。エンタープライズ分野でのLinuxの勢いを裏付ける盛況ぶりで、IT企業の多くがLinuxをいかに戦略として重要視しているのか、その一端がうかがえるイベントでもありました。
(レポート:編集A)