オープンソースのデータベースとして国内では不動の人気を誇るPostgreSQL開発グループの中心メンバー2人が来日、9月15日に都内で講演が行われました。今回お話されたのはBruce MomjianさんとJan Wieckさん(Bruceさんは、3年間に来日された際は、オライリーの四谷オフィスにも遊びに来てくださったことがあります)。Bruceさんは新バージョン「Upcoming PostgreSQL Features」と題し、8月にベータ版がリリースされたPostgreSQL 8.0について、その新機能のエッセンスを紹介されました。根本的な改良が加えられ、機能が大幅に拡張したという8.0。中でも画期的なのはやはりWindows対応です。Cygwin上では何かと制限の多かったのですが、今回その制限もなくなり、インストールもとても簡単になりました。講演中にBruceさんが実際にWindowsでデモしましたが、インストーラを使ってあっけないほど簡単にインストールが完了してしまいました。インストーラのメニューはすでに日本語対応済みです。さらにテーブルスペース、セーブポイント、ポイントインタイムリカバリなどの導入でより信頼性が向上し、エンタープライズでの利用に十分耐えられるように強化されているそうです。8.0の新機能に関する詳細は、『
実践PostgreSQL』の監訳者、石井達夫さんの書かれた
記事で知ることができます。
そしてJanさんは、ご自身が開発した「Slony-I」の機能についてお話されました。「開発してもメンテナンスは一切しない」というポリシーのもと、現在までPostgreSQL開発言語PL/PgSQLをはじめ、さまざまな開発に貢献してきました。今回開発したSlony-Iは、エンタープライズ向けに開発したレプリケーションシステムで、データベースの高信頼性、高可用性を実現し、他の商用データベースからの移行を促進する上で、重要な役割を担うと期待されているようです。
また今回、(株)SRAから認定制度『PostgreSQL CE』(PostgreSQL技術者認定試験)を開始するとの発表があり、石井さんがその目的や概要を説明されました。PostgreSQLエンジニアの技術向上、PostgreSQL使用の拡大を目的に設けられたこの制度、第1回目の試験は10月1日から開始されるそうです。PostgreSQL CEについての詳細は
SRAのサイトで確認できます。

Bruce Momjianさん

Jan Wieckさん

石井達夫さん