Web 2.0 EXPOが今日から渋谷で開幕しました。カンファレンスの冒頭を飾る基調講演では、Web 2.0の父でありオライリー本社社長である我らがティム・オライリーがベンチャーキャピタリストの伊藤穣一氏をゲストに迎え、Web 2.0の現状と将来について語りました。
ティムはWeb 2.0の特徴として、Wikiペディアやfrickrに代表されるようにユーザ参加型であり、ユーザの英知を結集したコンテンツが作れることが強みであることを指摘。まだまだイノベーションの余地がある分野も多く、特にモバイルはこれからもWeb 2.0を利用したイノベーションが可能であり、インターネットはすべての企業にビジネスチャンスをもたらすことを強調しました。
セッションの後半では、日本市場を分析。伊藤氏が特徴や問題点を指摘して、Web 2.0を生かしたビジネスの可能性を提案しました。
引き続いて行われたメディア向けのセッションでは、Cnet Japan、Jcastニュース、RBB Today、日経コンピュータ、日経新聞、ITProの記者たちが参加し、ティムにインタビュー。
聞き手がメディアというだけあって、特にWeb 2.0がメディアにもたらす影響に関する質問が多く寄せられました。
ブログ炎上はWeb 2.0によりもたらされた弊害ではないかという質問には、ティムは、Web 2.0ではユーザが参加してコンテンツを作ることが重要であるが、それと同時にコンテンツを管理することも重要であると主張しました。
メディアの将来については、新聞、TV、音楽業界など既存の「古いメディア」と、Yahoo!、Googleに代表される「新しいメディア」が近づき、互いに影響を受け、それぞれの役割が変わっていくであろうと予測。メディアは絶対になくならないけれども、確実に変化し、それに伴いメディアのビジネスモデルも変わると断言しました。
「Web 3.0はどういうものになるのか」という質問については、まだ具体的に考えていないけれども、次世代のWebはよりデータの蓄積・反映がスムーズになり、例えば、写真を撮れば即時に自動的に撮影場所日時が記録され、3D化され、Google Earthに取り込まれるようになるのではないか。そしてモバイル機器がPCに取って代わり、モバイルイノベーションが起こるだろう。情報を引き出す方法についても、現在のようにタグを頼りに引き出すのではなく、人間の脳が考えるように、もっと洗練された方法で引き出すことができるようになるのではないか、と予想しました。
共同インタビューの詳細は以下のリンクを参照してください。
J-CASTニュース
http://www.j-cast.com/2007/11/15013418.html
Web 2.0 EXPO―ティムの基調講演&メディアインタビュー
Editor
Thu 15 November 2007