エンジニアリング統括責任者の手引き

組織を成功に導く技術リーダーシップ

3,300円

内容

エンジニアリングマネージャーまでの立場なら、同僚や上司など、社内に相談できる相手やアドバイスを求める相手はたくさんいます。しかし、エンジニアリング組織の責任者に就くと、社内に相談できる相手はほとんどいなくなります。エンジニアリング組織の責任者には、高い学習曲線が待ち受けています。意欲を持ってその立場に就いた多くの人が、それに心を折られ、1年半も経たないうちに挫折してしまいます。
本書では、エンジニアリング組織を統括する立場に就くと直面するさまざまな課題 ―エンジニアとCEOの双方に向けたエンジニアリングの測定、全体の人員計画、拡大する組織を横断する効果的なコミュニケーション、「エンジニアリング戦略」を求める人々が本当に期待していること― に対応する方法を紹介します。
はじめに、エンジニアリング統括責任者のポジションを獲得する方法、契約交渉、新しい会社でスムーズに業務を開始する方法を解説し、次に計画プロセスの実行と組織内での効果的なコミュニケーション、エンジニアリング組織を運営する上で必要なミーティングの進め方、採用・オンボーディング・パフォーマンス管理の方法を説明します。そして多くの困難を乗り越えながら自分を管理し成果を出し続け、適切なタイミングで職を離れるまでを解説します。

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目次

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はじめに

1章 エンジニアリング統括責任者のポジションに就く
    1.1 なぜエンジニアリング統括責任者を目指すのか
    1.2 一点もの
    1.3 現在の会社でエンジニアリング統括責任者のポジションに就く
    1.4 別の会社でエンジニアリング統括責任者のポジションに就く
    1.5 面接プロセス
    1.6 契約交渉
    1.7 オファーを受ける決断
    1.8 ポジションを得られない
    1.9 まとめ

2章 最初の90日間
    2.1 まず何を学ぶべきか
    2.2 適切なシステム変更を行う
    2.3 最初の90日間の作業
    2.4 まとめ

3章 エンジニアリング戦略を立てる
    3.1 戦略の定義
    3.2 戦略例
    3.3 策定プロセス
    3.4 全社戦略が存在しない場合の対処法
    3.5 診断を確立する
    3.6 基本方針を確立する
    3.7 基本方針の視点の高さを保つ
    3.8 首尾一貫した行動を選ぶ
    3.9 戦略はボトムアップで立てるべきでは?
    3.10 まとめ

4章 計画の仕方
    4.1 標準的な計画プロセス
    4.2 計画の3つのフェーズ
    4.3 第1フェーズ:財務計画を立てる
    4.4 第2フェーズ:組織内のリソース配分を決定する
    4.5 第3フェーズ:ロードマップに合意する
    4.6 避けるべき落とし穴
    4.7 まとめ

5章 効果的なバリューを作る
    5.1 バリューはどんな問題を解決するか
    5.2 エンジニアリング組織はバリューを持つべきか
    5.3 効果的なバリューの条件
    5.4 エンジニアリングバリューとエンジニアリング戦略はどう違うか
    5.5 いつ、どのようにバリューを展開するか
    5.6 私が役に立ったと感じたバリュー
    5.7 まとめ

6章 エンジニアリング組織の測定
    6.1 自分のために測定する
    6.2 ステークホルダーのために測定する
    6.3 アプローチの順序
    6.4 アンチパターン
    6.5 まとめ

7章 M&Aへの参加
    7.1 複雑なインセンティブ
    7.2 同じ視点を持つ
    7.3 統合計画を策定する
    7.4 今すぐに異議を唱えよ。さもなくば永遠に沈黙せよ
    7.5 買収される
    7.6 まとめ

8章 リーダーシップスタイルの開発
    8.1 統括責任者に複数のリーダーシップスタイルが必要な理由
    8.2 ポリシーで導く
    8.3 コンセンサスで導く
    8.4 信念で導く
    8.5 リーダーシップスタイルの開発
    8.6 リーダーシップスタイルのバランスを取る
    8.7 まとめ

9章 優先順位とエネルギーの管理
    9.1 「会社、チーム、自分自身」フレームワーク
    9.2 エネルギーの管理はポジティブサム
    9.3 持続可能な互恵関係
    9.4 不整合の反射鏡
    9.5 直交はしているが対立はしていない
    9.6 柔軟性を保つ
    9.7 まとめ

10章 効果的なエンジニアリング組織のためのミーティング
    10.1 ミーティングが必要な理由
    10.2 必要不可欠な6つのミーティング
    10.3 他のミーティングについては?
    10.4 誰がミーティングを運営するか?
    10.5 ミーティングのスケーリング
    10.6 まとめ

11章 社内コミュニケーション
    11.1 随時発信を維持する
    11.2 ブロードキャストする前にテストする
    11.3 パケットを作る
    11.4 短くまとめる
    11.5 あらゆるチャンネルを使う
    11.6 まとめ

12章 個人と組織のプレゼンスを高める
    12.1 ブランドとプレゼンス
    12.2 プレゼンスを築くことはあなたにとって価値があるか?
    12.3 不定期の高品質コンテンツでプレゼンスを演出する
    12.4 プレゼンスの測定は地雷原
    12.5 まとめ

13章 CEO、統括責任者陣、エンジニアリング組織との協働
    13.1 あなたは支持されているか、容認されているか、それとも嫌われているか?
    13.2 暗黙のパワーダイナミクスをかじ取りする
    13.3 ナラティブの架け橋になる
    13.4 過去の経験にとらわれない
    13.5 団結する習慣を育てる
    13.6 変更を少数に絞り込む
    13.7 衝突はあっても良いが、未解決のままにしない
    13.8 同僚のパニックを切り抜ける
    13.9 まとめ

14章 エンジニアリング組織の幹部層を団結させる
    14.1 幹部層の分析と確立
    14.2 幹部層の運営
    14.3 幹部への期待
    14.4 幹部間の争い
    14.5 まとめ

15章 ネットワークの構築
    15.1 ネットワークの活用
    15.2 近道はあるか?
    15.3 ネットワークを構築する
    15.4 他の種類のネットワーク
    15.5 まとめ

16章 同格の統括責任者のオンボーディング
    16.1 同格の統括責任者のオンボーディングが重要な理由
    16.2 統括責任者のオンボーディングとエンジニアのオンボーディング
    16.3 メンタルフレームワークの共有
    16.4 役割を明確にする
    16.5 信頼は時間とともに育まれる
    16.6 どの程度の進歩が可能か
    16.7 まとめ

17章 検証を伴う信頼
    17.1 信頼による管理の限界
    17.2 信頼だけではマネジメント手法とは言えない
    17.3 検証を伴う信頼がより良い理由
    17.4 検証の道具
    17.5 組織に検証を取り入れる
    17.6 まとめ

18章 基準の調整
    18.1 基準のズレがもたらす危険
    18.2 組織の基準に合わせる
    18.3 慎重にエスカレーションする
    18.4 ロールモデルとして振る舞う
    18.5 基準の調整
    18.6 まとめ

19章 エンジニアリングプロセスの進め方
    19.1 プロセス運用の一般的な発展の過程
    19.2 パターンの長所と短所
    19.3 「ベースライン」パターンの運用
    19.4 予算編成の現実に対処する
    19.5 トレンドサイクルのかじ取り
    19.6 まとめ

20章 採用
    20.1 採用プロセスの確立
    20.2 完璧よりも効果的なものを狙う
    20.3 採用の進捗状況と問題点をモニタリングする
    20.4 重要な候補者のクロージングを支援する
    20.5 候補者をレベル付けする
    20.6 報酬の詳細を決定する
    20.7 採用の優先順位を管理する
    20.8 採用責任者をトレーニングする
    20.9 社内やネットワーク内から採用する
    20.10 採用で多様性を高める
    20.11 エンジニアリングブランドを構築する
    20.12 採用委員会を導入すべきか?
    20.13 システムはあなたをサポートするために存在する
    20.14 まとめ

21章 エンジニアリング組織でのオンボーディング
    21.1 現実世界の例
    21.2 オンボーディングの基礎
    21.3 オンボーディングプログラムが失敗する理由
    21.4 会社全体のオンボーディングとの統合
    21.5 オンボーディングを優先するタイミング
    21.6 まとめ

22章 パフォーマンスと報酬
    22.1 相反する目的
    22.2 パフォーマンスと昇進
    22.3 報酬
    22.4 どのくらいの頻度でサイクルを回すべきか
    22.5 完璧を追い求めない
    22.6 まとめ

23章 企業文化診断データの活用
    23.1 企業文化診断結果の読み方
    23.2 企業文化診断に基づいて行動を起こす
    23.3 企業文化診断に用いる質問を変更するタイミング
    23.4 いつ始めるべきか、どのくらいの頻度で実施すべきか
    23.5 まとめ

24章 エンジニアリング統括責任者のポジションを離れる
    24.1 辞める前の引き継ぎ計画
    24.2 去就を決める
    24.3 在任期間の短さをどう考えるか
    24.4 次の職を得てから退職するか、それとも得ずに退職するか
    24.5 CEOに伝える
    24.6 退職パッケージの交渉
    24.7 コミュニケーション計画の確立
    24.8 引き継ぎと実際の退社
    24.9 決断の再検討
    24.10 まとめ

25章 結び

付録A 追加のリソース

付録B エンジニアリング統括責任者の面接

付録C 損益計算書の読み方

付録D エンジニアリングハブの立ち上げ

付録E 探索の重大さ

参考文献
訳者あとがき
索引

コラム目次
    学びはふりかえりを通してのみ得られる
    時間とエネルギーを管理する
    エンジニアリングコストの資産計上方法
    ベンダー契約の更新
    計画のタイムライン
    データに対する信頼を築く
    エンジニアリング評価テンプレートの推奨トピック
    統括責任者が意欲を失う理由
    核心を抽出する
    対外的なコミュニケーションについて考える
    このアドバイスに従っている人はいるか?
    エスカレーションプロセスの体系化
    エグゼクティブアシスタントとのパートナーシップ
    未経験の職務を管理する
    企業文化診断に関するインタビュー
    目の前の問題から目をそらす