試作品を作る(その2)
無事に企画が承認されたら、製造することを視野に入れた試作を行います。
Tシャツの場合は、書籍の表紙をもとにしてデザインをして貰います。書籍のデザインをそのままTシャツにしていると思われているかもしれませんが、実は動物やロゴの大きさ、位置など、ひとつひとつ細かな調整をしています。デザイン原案が出来上がったら、原稿をチェックします。時には原寸大のプリントアウトを胸に当ててみて、細かな位置を調整することもあります。一番細かい場合は5mmくらいまで調整します。このこだわりが生み出すクオリティ。
製造を中国や台湾のオライリー経由で行うこともあります。このときは、デザインしたデータをメールで送ってプロトタイプを作ってもらい、出来あがったものを写真に撮って送ってもらいます。海外とのやり取りでは、意図を汲んでもらうのが非常に難しいので、何度もやり取りを繰り返すことがあります。
同時に製造の仕様を決定します。Tシャツやトートバッグならサイズ、インクの色、布地の厚さなど。キーホルダーならサイズなどです。トートバッグの場合、オライリーの書籍はもちろんですが「MacBookが入る」というような制約でサイズを決めることもあります。台湾のオライリーには日本語に堪能なスタッフがおり、クォリティコントロールに重要な役割を果たしています。時には日本のチェックを待たずにダメ出しをすることもあるそうです。
製造~完成
さて、こうして全ての仕様が決定したら製造工程に入ります。こうなると、もうオライリーのスタッフは完成を待つだけとなります。ただし海外で製造する際には、思いのほか時間がかかることもあるので油断はできません。
製造を開始してから品物が到着するまでの時間は、国内製造で早いものなら数日ですが、海外製造で時間のかかるものでは1月以上かかることもあります。また、海外からやってくるものは税関を通ってきますので、その時間も考慮にいれなければいけません。
こうして出来上がったグッズが、私たちのもとに届きます。荷物が到着したら、すぐに梱包を開けて中身をチェックします。インクの色などはロットによっても若干ブレが出ることもあるので、想像していた通りにできあがったか、現物を見るまで安心できません。
毎回、不安と期待に胸を躍らせながら、やってきたグッズと対面します。
以上、駆け足ではありましたが、オライリーのグッズが出来上がるまでの過程を一通りご紹介してきました。いかがでしたでしょうか? 今後も皆さんに気に入って貰えるような、ステキなグッズを作って行きたいと思っています。もし、こんなグッズが欲しいというアイデアがありましたら、メールでも、イベントの会場でも結構です、私たちに教えてください。