Interview and Report

ラリー・ウォール氏インタビュー@LL Future(前編)

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お待たせしました。2008年8月30日に開催された「LL Future」の会場で、Perlの開発者であり『プログラミングPerl』の共著者でもあるラリー・ウォール氏にインタビューする機会を得ました。今回はその前半部をお送りします。 日本の聴衆の印象から、パネルディスカッションの内容、またラリーさんの言語設計という行為に対する考えなどが垣間見える内容です。

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Q. LL Futureの印象、特に日本の聴衆にはどんな印象をもちましたか?

A. それを表現するのはとても難しいね。エキサイティングでした。 テクニカルな話をする時はいつでも、話の内容が理解できているのかどうか、聴衆のフィードバックがとても大切なんです。

あるコードを例として挙げていて、聴衆がそれを見ていたとしても、「実は理解できていないんじゃないか」、「どんな言語が好きなんだろう」と考えてしまうんだよ。

パネルディスカッションはとても良かった。良くないパネルディスカッションに参加していると、オープンであるかのように振る舞いながら(議論を)共有する時間がほんの少しということもあるからね。

Q.パネルディスカッションでは3つの質問がありましたが、どの質問が興味深かったですか?

A. 2つ目[*1]が最高だったよ(笑)。

1つ目の質問[*2]も、もちろん考え抜かれたものだと思いますが、コンテクストに依存すると思います。2つ目の質問は、私たちがこの数年費やしてきたハードな状況を明快に表すものだったのです。

それらの多くはパーソナルな語彙のために費されました。私はプログラミング言語を作るというのは、芸術の一分野なのだと思っています。

私たちは絵を描いたり、音楽を奏でたりするように、(プログラミング言語の設計に)注力します。それらは数学的な芸術ではありません。それらは「何かを表現する」という芸術なのです。

*1 「これまで何をしてきたか?」という質問に対し、ひとこと「Perl」とだけ答えた。

*2 「100年後のプログラミング言語はどうなる?」

Q. 1つ目の質問への答えに「プログラミングをより多くの状況で、より簡単に」というものがありましたが。

A. そうなればいいと思っています。そのために努力するのは意味のあることです。プログラミングのインターフェイスがどのように変わるのか、私たちには予測できません。それはビジュアルなものに、画像や、身振りや、触れることで実現するものになるかもしれません。

でも、あと何千年かの間は、言語も使われ続けるでしょう。この数年、私たちは(プログラミング)言語における操作の最適化に取り組んできました。それらのほとんどは言語に関するものでした。

私はいつもコンピュータを使う時には(プログラミング)言語を使っています。他の人はもっとインタラクティブな方法を使っているかもしれませんが、でも画像やサイン、タッチなどを除くと、多くの場合は何らかの文法をもった言語を用いています。これは句読点法のようなもので、そこには文脈があります。言語にとってはそれが重要なのです。

明らかなのは、ほとんどの場合、我々はコンピュータと一度に一つのことを話しているということです。これは言語も線的であるということです。

我々の思考法は、これ、これ、これと順番に集中していきます。コンピュータに今以上に何かをさせるには、複数の物事を一度に処理できるように、あれも、これも、それもというように、線形であることにとらわれないインターフェイスとなる言語を用いることです。

ある問題についてプログラミングをしていて、それとは並列的な解決策があっても、私たちは一度に一つの問題にしか集中できません。ですから相互にやりとりされている自然な会話のように、並行する処理を簡単に記述できる言語が必要とされるのです。こういったものが、われわれが見出すべき方向でしょう。

(後編につづく)

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