千住治郎: 2011年2月アーカイブ

今回は、前回取り上げたsquashfs,aufs,cloop,dm-snapshotの各機能を用いた、LiveCDに必要な機能を実現するための組合せを考えてみます。 なお、本記事はhttp://sourceforge.net/mailarchive/forum.php?thread_name=20986.1293537718%40jrobl&forum_name=aufs-usersを元にしています。

方式ごとの性能比較

ここまで、squashfs,aufs,cloop,dm-snapshotの各機能を簡単に紹介しました。次にLiveCDに必要な機能を実現するための組合せを考えてみます。組合せ要素には圧縮された読み取り専用下位レイヤ、書き込み可能上位レイヤ、両レイヤの結合方法の三種類がありますが、前述のようにdm-snapshotの場合にはファイルシステム種類に条件が加わるため、次のようになります(表1)。

http://www.oreilly.co.jp/community/blog/images/union/pg_high_logo.png

Linuxをハードディスクへインストールせずに使用するLiveCD/DVDも広く利用されるようになり、多くのディストリビューションが従来のインストール媒体/方法に加え、LiveCDをリリースしています。ほとんどのLiveCDではsquashfs、tmpfs、更にAUFSを用い、ハードディスクへインストールしない形態を実現していますが、本記事ではその他の方法も取り上げ、考察します。 なお、本記事はhttp://sourceforge.net/mailarchive/forum.php?thread_name=20986.1293537718%40jrobl&forum_name=aufs-usersを元にしています。

古代の構成

一般的にLinux LiveCDではシステムをインストールした状態のファイルシステムを圧縮し、読み取り専用ファイルシステムイメージとして収納してあります。この際に用いられるのがsquashfsなどのファイルシステムですが、ここからそのままシステムを起動しても読み取り専用ですから、使用できない部分が生まれます。

圧縮の反対動作を指す言葉は伸長とも表現されますが、本記事では展開と表現します。

例えば、システムを起動すれば各種ログファイルや/var/wtmpファイルに対する書き込みが発生しますし、ファイルシステムをマウントすれば/etc/mtabというファイルも更新されます。デーモンが起動されればサービスに必要な各種ファイルなども作成されます。それぞれを一つづつ調査し、書き込みが発生しないように対処して行くことも不可能ではないかもしれませんが、もちろん手間がかかります。そもそもLinux(UNIX)システムは書き込み可能ファイルシステム上で動作することを前提としているのですから、この努力は有意義とは言えないでしょう。

かつてはシャドウディレクトリ方式で対応しようという時代もありました。シャドウディレクトリとはやや古い呼び方かもしれませんが、X.Org/XFree86以前のX11 Window Systemのビルドなどにも用いられていた(と思うけど、記憶に自信がなくなってきた )形態です。例えば、ソースファイルが置かれたsrc/下でそのままビルドすると、他のアーキテクチャ用にビルドする際には全オブジェクトファイルを削除しなければなりません。そうすると、先のアーキテクチャ用のリビルド時にはまた初めからすべてをコンパイルしなければならず、この手間暇を節約するための方策として、obj/を別に用意し、全てのソースファイルのシンボリックリンクをobj/下に作成する方法が採られました。この形態がシャドウディレクトリで、ビルドされるオブジェクトファイルはobj/下に作成され、ソースファイルを書く場合にもディレクトリの差異を気にする必要もありません。lndir(1)を用いると、子ディレクトリ、孫ディレクトリも含んだシャドウディレクトリを作成できます。

アーカイブ