現在、私たちは生成AIとエージェントAIの誕生により、インターネットの登場に匹敵する変革期にいます。これは単なる技術的な流行ではなく、ビジネスのあり方そのものを変える大きな波です。本書は、単なる「AIユーザー」から、自社のデータとAIプラットフォームを活用し、独自のビジネス価値をつくりだす「AI価値創造者」へとなるための羅針盤です 。AIの進化、大規模言語モデル、生成コンピューティング、エージェントシステムといったものがビジネス成果にどうつながるかを解説します。AI戦略の策定、モデルの選定、スキル開発、信頼性と責任の組み込み、データ活用など、戦略と運用の両面から具体的なアドバイスを提供します。中小規模言語モデル、モデルルーティング、MoE、エージェントなど、持続可能でスケーラブルなAI戦略の鍵となる要素にも焦点を当てています。
生成AI時代の価値のつくりかた
―実践者のマインド、スキル、データ、ユースケース
Rob Thomas、Paul Zikopoulos、Kate Soule 著、本多 真二郎 監訳、オライリー・ジャパン編集部 訳
![[cover photo]](https://www.oreilly.co.jp/books/images/picture_large978-4-8144-0129-1.jpeg)
- TOPICS
- AI/LLM
- 発行年月日
- 2025年09月
- PRINT LENGTH
- 380
- ISBN
- 978-4-8144-0129-1
- 原書
- AI Value Creators
- FORMAT
目次
監訳者まえがき 推薦の言葉 はじめに 1章 +AIからAI+へ:生成AIと「ネットスケープ・モーメント」 1.1 ネットスケープ・モーメントとは 1.2 AI と魔法の瞬間 1.2.1 しかし……AI は魔法ではない 1.3 ビジネスを+AI からAI+ へ 1.4 まず、メンタルモデルを「+AI」から「AI+」に変えよう 1.4.1 生成AI 時代に対応する、新生AI ラダー 1.5 旅を始める前に、予算を分類し、AI がどのように役立つかを明確にする 1.5.1 第一の観点:コスト削減のために投資するのか、利益創出のために投資するのか。AI はビジネスにどう役立つか。 1.5.2 第二の観点:AI がビジネスにどのように役立つかを分類する 1.5.3 AI がビジネスにどのように役立つかを可視化するためにアキュメンカーブを使う 1.5.4 何から始めるべきか? 実践的アドバイス 1.6 変わり身の早いビジネスへ:シフトレフトし、そしてシフトライトする! 1.6.1 私たちは毎日、テクノロジーで解決・改善できる問題のそばを通り過ぎている 1.7 基盤モデルと生成AI をビジネスに活用するためのヒント 1.7.1 ヒント1:緊急性を持って行動する 1.7.2 ヒント2:単なるAI ユーザーではなく、AI 価値創造者になる 1.7.3 ヒント3:一つのモデルがすべてを支配することはない。だからこそ、コミュニティに賭ける 1.7.4 ヒント4:あらゆる場所で、効率的に実行する 1.7.5 ヒント5:信頼こそが事業継続の究極のライセンスであると心得る 1.8 それでは、AI の部分に焦点を当てよう 2章 AI価値創造者になるために 2.1 AI の歴史:“タイムラプス” で振り返る 2.1.1 基盤モデルについての簡単な説明 2.1.2 もう少し深く:大規模言語モデルの進化、そして教師あり学習と自己教師あり学習の比較 2.2 あなたが目指すべき目的地は、「AI の価値創造」 2.2.1 AI をどのように活用するか。価値を創造する者なのか、価値ユーザーなのか 2.3 AI の未来を計画する:数多の生成AI モデルと共に歩む未来 2.3.1 AI を解明し、応用するときが来た 2.4 AI の未来 2.5 さあ、始めよう 3章 AI説得のための方程式 3.1 時代を超越したもの 3.1.1 テクノロジーには常に緊張がつきまとう 3.1.2 電卓はいらない! 三つの説得のための方程式 3.1.3 方程式① GDPを成長させる方法 3.1.4 方程式② 何がAI を成功させるのか 3.1.5 方程式③ バランスを発見する:パラドックスを乗りこなす 3.2 最後のアドバイス:AI をコストセンターとしてではなく、価値創造の源泉と捉える 3.3 まとめ 4章 ユースケース 4.1 ユースケースの価値創造曲線 4.2 水平に行くことが最も垂直を得ることになる 4.2.1 実験 4.2.2 データを活用する 4.2.3 IT オートメーション 4.2.4 コード:コンピュータの言語 4.2.5 デジタルレイバーとAI アシスタント 4.2.6 エージェント 4.2.7 ビジネスレンズ:水平的に見るユースケース 4.2.8 ボーナス(横型)使用例:合成データ 4.3 ユースケースの断片:垂直的に見る 4.3.1 農業 4.3.2 会計 4.3.3 教育 4.3.4 ヘルスケア 4.3.5 保険 4.3.6 法律 4.3.7 製造と生産 4.3.8 製薬 4.4 無限の可能性:生成AI が輝く、その他の業界 4.5 AI の構成要素 5章 生きるか、死ぬか、買うか、試すか。多くのことはAIが決める 5.1 LLM:人々が伝え忘れていること 5.1.1 知識のカットオフ日 5.1.2 LLMは自分のペースで仕事を作り上げる達人になれる 5.1.3 カーボンフットプリント:「AI の親友」がもたらす気候変動へのコスト 5.1.4 著作権と訴訟 5.1.5 デジタル・エッセンスとは何か 5.1.6 拡大する攻撃対象範囲 5.1.7 データプライバシー 5.1.8 今盗み、後で解読する 5.2 AI に関する、善き実践者のための「てこ」 5.2.1 公平性:AI 時代におけるフェアプレー 5.2.2 ここにも、そこにも、データの偏りはどこにでもある 5.2.3 堅牢性:AI を「壊れない知性」に保つために 5.2.4 説明可能性:ほとんど説明不可能なことを説明する 5.2.5 来歴(リネージ):その軌跡をたどり、善きデータが勝利を収めるように 5.3 レギュレーション:本来、ここにあるはずのなかったセクション 5.3.1 何を規制すべきか:我々の視点 5.3.2 AI のライフサイクルを管理する 5.4 まとめ 6章 スキルで魅了せよ 6.1 さあ、スキルアップを始めよう 6.2 AI+ への道:あらゆる役割におけるスキル拡大の必要性 6.3 AI は雇用の破壊者か、創造主か 6.3.1 スキルを磨かなければ、チェックメイトされるだけ 6.3.2 民主化されたテクノロジーは、雇用を創造する 6.4 賢さの「てこ」:永続するスキルプログラムを解き放つ 6.4.1 レバー① 原点から始める:「なぜ」を知りたがる人材を雇う 6.4.2 レバー② デジタル志向の人材を採用する 6.4.3 レバー③ 現状を把握する:自分のスキルを棚卸しする 6.4.4 レバー④ 全員のための計画:行動なき計画は演説に過ぎない 6.4.5 レバー⑤ 学習曲線(と忘却曲線)を受け入れる 6.4.6 レバー⑥ 指導+模倣+コラボレーションの組み合わせ 6.4.7 レバー⑦ 文化の重要性:名詞ではなくスキル動詞であれ 6.4.8 レバー⑧ AI に対する組織としての姿勢を明確にする 6.5 ケーススタディ:全員が応えたIBMのスキルチャレンジ 6.6 最後の言葉 7章 一つのモデルがすべてを支配するわけではない! 7.1 大きければ大きいほどいいのか?最初はそうだったが、もはや過去の話 7.2 小規模言語モデルの台頭 7.2.1 データキュレーションがAI の救世主となる 7.2.2 データキュレーションで考慮すべきこと 7.2.3 モデル蒸留:AI を使ってAI を改善する 7.2.4 モデル蒸留で考慮すべきこと 7.3 次はどこへ行くのか。小規模言語モデルを組み合わせよ! 7.3.1 モデルルーティング 7.3.2 モデルルーティングで考慮すべきこと 7.3.3 混合専門家(MoE)アーキテクチャ 7.3.4 MoEで考慮すべきこと 7.4 エージェントシステム 7.4.1 このエージェントの活躍をどう見るか 7.4.2 エージェントについてもう少し詳しく 7.4.3 エージェントはどのように作られるか 7.4.4 エージェントシステムのリスクと限界 7.4.5 始めるための三つのヒント:エージェント活用のベストプラクティス 7.4.6 AI エージェントで考慮すべきこと 7.5 まとめ 8章 データを差別化要因として活用する 8.1 オープンソースを企業向けにカスタマイズする:企業データの新たな捉え方 8.1.1 データ表現の時代をめぐる旅:過去数十年を振り返る 8.2 立ち上がり、表現せよ!……あなたのデータを 8.2.1 ステップ① すべては信頼から始まる 8.2.2 ステップ② LLMで企業データを表現する 8.2.3 ステップ③ グランドフィナーレ:展開と実験 8.3 未来はオープンで、協調的で、カスタマイズ可能 9章 生成コンピューティング:コンピューティングの新しいスタイル 9.1 コンピューティングの構成要素 9.1.1 トランスフォーマー:AI が見せる以上のもの 9.2 バック・トゥ・コンピュータサイエンス 9.2.1 扉は大きく開かれている:可能性を再構築する 9.3 生成コンピューティングにおけるモデルの構築方法 9.3.1 生成コンピューティングシステムに機能を追加するための「ライブラリ」 9.3.2 簡単な比較:今日のLLM利用と生成コンピューティング 9.3.3 生成コンピューティングランタイム:何をプログラミングできるのか 9.3.4 OpenAIのストロベリー:ベリースイートな革新 9.4 生成コンピューティングから生成コンピュータへ:ハードウェアの未来 9.4.1 IBM NorthPole におけるAI 高速化の実験 9.5 最後のプロンプト:総括 索引