Pythonによる地理空間データ分析

―例題で学ぶロケーションインテリジェンス

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TOPICS
Data Science , Python
発行年月日
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272
ISBN
978-4-8144-0032-4
原書
Python for Geospatial Data Analysis
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地理空間データ分析は、地図や道路などのオープンな情報を分析することで、渋滞予測やナビゲーションなどの有用な情報を得る強力な手段です。さらに、衛星に搭載された各種のセンサーによる画像や国勢調査の情報などを組み合わせることにより、森林破壊や人種差別問題などの社会的課題に対する知見を得る「ロケーションインテリジェンス」として活用することができます。本書は、地理空間データ分析に必要な基本的な知識―GIS、データの種類、空間統計学、可視化技術などを紹介し、公開データとJupyter Notebookで提供されているさまざまな社会課題に関するサンプルコードと解説、QGISなどのオープンなツールを利用して実践的に理解を深めることができる一冊です。

目次

はじめに

1章 地理空間データ分析入門
    1.1 データの民主化
    1.2 データに関する質問
    1.3 空間データサイエンスの概念
        1.3.1 地図の投影法
        1.3.2 ベクタデータ:オブジェクトとしての場所
        1.3.3 ラスタデータ:空間的関係の理解
    1.4 データセットの評価と選択
    1.5 まとめ

2章 地理空間データ分析に必要なツール
    2.1 QGISにおける地理空間データ分析
        2.1.1 QGISのインストール
        2.1.2 QGISにベースマップを追加する
        2.1.3 データリソースの探索
    2.2 ニューヨーク市の環境に関する苦情の可視化
        2.2.1 QGISへのデータの読み込み
        2.2.2 プロジェクトCRSの設定
        2.2.3 クエリエディタによるデータのフィルタリング
    2.3 人口データの可視化
        2.3.1 QGIS Pythonコンソール
        2.3.2 ラスタレイヤの読み込み
        2.3.3 赤線引き:不平等のマッピング
    2.4 まとめ

3章 QGIS:PyQGISによる地理空間データ分析と処理アルゴリズム
    3.1 QGISワークスペースの探索:サンフランシスコの樹木被覆と不平等
        3.1.1 Pythonプラグイン
        3.1.2 データへのアクセス
        3.1.3 レイヤパネルの使い方
        3.1.4 研究課題への取り組み
    3.2 WFS:マサチューセッツ州の環境脅威を特定する
        3.2.1 データへのアクセス
        3.2.2 属性の発見
        3.2.3 イテレータの利用
        3.2.4 レイヤのスタイル設定
    3.3 Pythonコンソールで処理アルゴリズムを使用する
        3.3.1 アルゴリズムを使う
        3.3.2 QGIS式による抽出
        3.3.3 バッファ
        3.3.4 位置情報による抽出
    3.4 まとめ

4章 地理空間データ分析のクラウド化:Google Earth Engineとその他のツール
    4.1 Google Earth Engineの設定
    4.2 GEEコンソールとgeemapの使用法
        4.2.1 Conda環境の構築
        4.2.2 geemapとその他のパッケージのインストール
    4.3 geemapを利用する
        4.3.1 レイヤとツール
        4.3.2 ベースマップ
    4.4 Landsat 9の画像コレクションを探索する
    4.5 スペクトルバンドを使った作業
    4.6 国土被覆データベースのベースマップ
        4.6.1 データへのアクセス
        4.6.2 カスタム凡例の作成
    4.7 Leafmap:Google Earth Engineの代替
    4.8 まとめ

5章 OpenStreetMap:OSMnxで地理空間データにアクセスする
    5.1 OpenStreetMapのコンセプト
        5.1.1 タグ
        5.1.2 多重有向グラフ
    5.2 OSMnxのインストール
    5.3 場所の選択
    5.4 引数とパラメータを理解する
    5.5 移動時間の計算
    5.6 OSMnxの基本的な統計指標
        5.6.1 道直比
        5.6.2 ネットワーク分析:フランス・パリの道直比
        5.6.3 媒介中心性
        5.6.4 ネットワークの種類
    5.7 近隣地図のカスタマイズ
        5.7.1 場所からジオメトリを取得
        5.7.2 座標からジオメトリを取得
    5.8 QGISでQuickOSMを操作してみる
    5.9 まとめ

6章 ArcGIS Python API
    6.1 設定
        6.1.1 ArcGIS Python APIで利用可能なモジュール
        6.1.2 ArcGIS Proライセンス保有者向けのインストール手順
        6.1.3 環境を設定する
        6.1.4 パッケージのインストール
    6.2 ArcGIS Python APIへの接続
        6.2.1 匿名ユーザでArcGIS Onlineに接続する方法
        6.2.2 ArcGISユーザアカウントへの認証情報による接続
    6.3 画像レイヤの探索:都市部のヒートアイランドマップ
    6.4 ラスタ関数
    6.5 画像属性の詳細
        6.5.1 画像の改善
        6.5.2 複数の時間軸における位置の比較
        6.5.3 レイヤのフィルタリング
    6.6 まとめ

7章 GeoPandasと空間統計学
    7.1 GeoPandasのインストール
    7.2 GeoJSONファイルの操作
    7.3 GeoDataFrameの作成
    7.4 米国国勢調査のデータを処理する:ロサンゼルス人口密度地図
        7.4.1 国勢調査データAPIとFTPによる地域および人口データへのアクセス
        7.4.2 ブラウザで国勢調査データAPIのデータにアクセスする
        7.4.3 データプロファイルの使用
        7.4.4 地図の作成
    7.5 まとめ

8章 データのクリーニング
    8.1 欠損データのチェック
        8.1.1 Colabへのアップロード
        8.1.2 NULLと非NULL
        8.1.3 データ型
        8.1.4 メタデータ
        8.1.5 要約統計量
        8.1.6 欠損値の置き換え
    8.2 missingnoによりデータを可視化する
    8.3 マッピングのパターン
        8.3.1 緯度と経度
        8.3.2 シェイプファイル
    8.4 まとめ

9章 GDALを試す
    9.1 GDALの設定
        9.1.1 Spyderのインストール
        9.1.2 GDALのインストール
    9.2 コマンドラインでのGDALの使用方法
    9.3 GDALでデータを編集する
        9.3.1 warp関数
        9.3.2 入力ラスタバンドのキャプチャ
    9.4 PythonでのGDALライブラリの使用方法
        9.4.1 Spyderを使いこなすために
        9.4.2 Spyderでデータを調べる
        9.4.3 GDALでファイルを変換する
        9.4.4 GDALにおけるバイナリマスクの使用法
        9.4.5 スクリプト全体
    9.5 オープンソースのラスタファイル
        9.5.1 USGS EarthExplorer
        9.5.2 Copernicus Open Access Hub
        9.5.3 GEE(Google Earth Engine)
    9.6 まとめ

10章 Pythonによる気候データの測定
    10.1 例1:降水量データによる気候予測の検証
        10.1.1 目標
        10.1.2 データのダウンロード
        10.1.3 Xarrayで作業する
        10.1.4 2015年と2021年のデータセットの結合
        10.1.5 画像の生成
        10.1.6 さらなる探索
    10.2 例2:WTSSシリーズを用いたアマゾン熱帯雨林の森林破壊と炭素排出量の測定
        10.2.1 設定
        10.2.2 地図の作成
        10.2.3 分析
        10.2.4 結果の見直し
    10.3 例3:Forest at Riskを用いたグアドループの森林破壊のモデリングと予測
        10.3.1 設定
        10.3.2 データのプロット
        10.3.3 データのサンプリング
        10.3.4 相関プロット
        10.3.5 iCARモデルによる森林破壊の確率のモデリング
        10.3.6 MCMC距離行列
        10.3.7 predict_raster_binomial_iCARによる森林破壊の空間的確率のモデリング
        10.3.8 炭素排出量
        10.3.9 分析
    10.4 まとめ

付録A その他のリソース
    A.1 地理空間データ分析用Pythonライブラリ
    A.2 さらなる探索のリソース

付録B 参考文献

索引